手書きが静かなブームに
2021年8月、京都で万年筆をはじめとする筆記具や手帳などの紙製品を一堂に集めた手書きを楽しむイベント「京都手書道具市」が開催され、文房具を愛する多くのファンで賑わいました(コロナ禍のため、密にならないように事前申し込みのみ、時間別定員制で開催)。
職場や家庭でも、文書はワードプロセッサー、手紙は電子メール、筆記具はペンからキーボードにと、「書く」という行為はデジタルデバイスが主流になった現代に、今ふたたび手書きの良さが見直されはじめています。
多くの文豪に愛される、浅草の老舗満寿屋

原稿用紙も実に様々なバリエーションが揃う満寿屋です。
創業明治15年、原稿用紙といえば「浅草の満寿屋」と呼ばれるほど、浅田次郎、川端康成、司馬遼太郎など数多くの文豪や文筆家を支えてきたのが、満寿屋の原稿用紙です。
原稿用紙と聞くと、なにか堅苦しいイメージがついてまわり、最後に使った記憶は小学校の頃の読書感想文かなという人も多いかもしれませんが、満寿屋では古典的な原稿用紙はもちろん、便箋にノートブックまで数多くの紙製品を市場に送り出しています。
SNS原稿用紙とは?

SNSユーザーの声から生まれた原稿用紙
Twitterをはじめが誰もがSNSのアカウントを持ち、気軽にメッセージやつぶやきが発信できる時代に、手書きしたものを写真に撮って投稿する「手書き投稿(ツイート)」を楽しむひとたちが増えています。
そんなユーザーの声に応えて誕生したのが、満寿屋の「SNS原稿用紙」です。

作家や編集者の気分も楽しめる
「SNS原稿用紙」は、縦10×横10マスからなる1枚で100文字が書けるB5サイズ。一般的な400字詰め原稿用紙よりも小さく書け、文字数も1/4と子供の頃に読書感想文を書かされた時のようにマスを埋めなきゃいけないという義務感を感じさせないフレンドリーな原稿用紙です。
また、太枠はiPhoneのカメラに対応した縦横比「4:3」になっていて、四隅にはトンボと呼ばれる、印刷業界で使われる断裁位置が印刷してあり、実際にハサミで切る訳ではありませんが、撮影したあとにトリミングするのに役立ちます。
手書きでしかできないこと

感情が伝わる手書き文字
SNSの場合、写真を除けば投稿できるのはデジタルのテキスト文字です。
字の上手い下手に関係なく、均一化された読みやすい文字を誰でもが書く(打つ)ことができて、自分の書く字に自身が持てない人(筆者もそのひとりです)にも、とても心強いのがデジタルの大きな特徴と言えます。
例えば、「今朝、奈良公園を散歩しながら鹿の数をかぞえてみたら、すれ違った人間よりも鹿の方が多かった。奈良は人口よりも鹿の方が多いと云う都市伝説はあながち本当かもしれない」、こんな投稿をした場合、たしかにデジタルで表示される文字の方が見やすいかも知れません。しかし、文章としてはフラットで、人の温もりは感じられません。
一方、これを原稿用紙に手書きにすると、マスがあることで安心感が増して、普段よりも収まりのある文字が書ける気がします。
近年、ノートブックは横罫線よりも方眼罫に人気が集まっているのも、そんな理由からもしれません。

アナログだからこそできる表現の可能性
SNSに表示される文字は単色ですが、「SNS原稿用紙」を使えば、色や文字の大きさに制約がなくなります。手元にあるお気に入りの筆記具とカラーインクを使って自由に文字を装飾できるのは、手書きならではのアドバンテージです。
最近、若い女性のあいだで人気のラメ(シーマリング)インクや、カリグラフィーペンで描く装飾文字など、ペンの数、色の数だけ個性豊かな投稿を満喫できます。
さらに、余白部分をマスキングテープやシールなどで飾り「手書き投稿」をまるで絵画のように演出して楽しむユーザーもいるなど、可能性は使う人の想像力に比例します。

心が落ち着く文学ツイート
手書き投稿の中には、毎日のつぶやきだけでなく、純粋に文学作品の冒頭のくだりだけを書き写す投稿も人気です。
「SNS原稿用紙」は文字数的にも、費やす時間的にも丁度いいサイズ感で、400字詰め原稿用紙のような敷居の高さを感じさせない上に、書いているうちに「写経」のように心がおだやかに落ち着いてくると評判。
「SNS原稿用紙」に使われている満寿屋のオリジナルクリーム紙は、万年筆との相性も良く、「文学書き写し投稿」にはまさにピッタリな用紙です。
若いひとたちにこそ使ってほしい「SNS原稿用紙」

書く楽しさを再発見できるSNS原稿用紙
若い世代の活字離れという記事が新聞や週刊誌で報道されていますが、20代から30代のTwitterユーザーは1日に60分利用しているという調査データが発表されています。
年配の読書好きでも1日60分読書する人は少ないかもしれませんが、いまの若い世代はちゃんと活字と隣合わせで生きている事がわかります。
そんな若い世代に、いままでスマートフォンやキーボードから入力することが当たり前だったスタイルから、手で書く楽しさを再発見させてくれるのが、満寿屋「SNS原稿用紙」です。
あらためて原稿用紙と向かい合ってみると不思議と新鮮な気持ちになって、なんだか作家にでもなったような気分が味わえるのも魅力のひとつです。
ひょっとすると、何年か先には「SNS原稿用紙」を使ったユーザーの中から文学賞を受賞する作家が現れるかもしれません。
販売:浅草満寿屋
商品:SNS原稿用紙
・S1るび有り
・S2るび無し
内容:50枚
価格:495円(消費税込み)