「ねるねるねるね」が子どもたちに届けたい価値とは何か? 「知育菓子Ⓡ」の秘密に迫る

文=ふじいなおみ
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 WEZZYで「知育」に関する記事を書くことになり気になった言葉がありました。それは「知育菓子Ⓡ」という言葉です。筆者の娘も好きなお菓子である「ねるねるねるね」は知育菓子Ⓡの一つです。ある時、商品パッケージを見ていると「知育菓子」という言葉の横にⓇがつけられていることに気づきました。

 Ⓡは「登録商標」と言って、商標法の定めに従って特許庁に登録された商標であることを示します。つまり「知育菓子Ⓡ」という言葉は商標を登録しているクラシエフーズのみが使用可能なネーミングということになります。

 5歳の娘と知育菓子Ⓡで楽しく美味しく知育体験をしながら、「知育菓子Ⓡが子どもたちに届けたい価値」に迫っていきます。

ねるねるねるねを作ろう

 ある日、3時のおやつの時間にねるねるねるねを作ってみました。現在(2021年7月)発売されているねるねるねるねは3種類。「ブドウ味」「ソーダ味」そして新作の「クリームソーダ味」です。

 クラシエフーズの知育菓子Ⓡシリーズには難易度が星の数で表示されているのですが、その中でも「ねるねるねるね」の難易度は星1つ。最も作り方が易しい商品です。

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ブドウ味

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ソーダ味

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クリームソーダ味

 また、1段階難易度の高い「星2つ」の商品として「DXねるねる」という商品も展開されています。

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DXねるねる

 今回は「ねるねるねるね」に的を絞り3つの味を一気に作ってみました。

 3つの味の作り方はほぼ同じです。今回はソーダ味を娘が作っている写真とともに説明します。

 まずはキッチンできれいに手を洗います。

 次に、トレーから水を測るために使う「しかくカップ」を切り離します。

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 トレーで「ねるねる」を作ります。「1ばんのこな」と「しかくカップ」1杯分の水を入れて混ぜていきます。

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 次に「2ばんのこな」を加えて混ぜると、「ねるねる」の色が変わってふわふわになっていきます。

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 娘は適度なタイミングで混ぜるのをやめ、「商品パッケージのようなマーブル模様」の「ねるねる」を作り出しました。

※クリームソーダ味のみ、「クリームソースのもと」をもう一つのくぼみに入れ、「しかくカップ」1杯分の水を加えて「クリームソース」を作ります。

 最後にトッピングをトレーに出して出来上がりです。

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ソーダ味の完成

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ブドウ味の完成

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クリームソーダ味の完成

 娘は今まで何度も作っているので、今回もスムーズに作ることができました。完成までにかかった時間は3種類でおおよそ10分でしょうか。

 「ねるねるねるね」は、一緒に作っていた母(筆者)が小さい頃に発売され、大好きだったお菓子です。発売当初放送されていた、魔女のおばあさんが出演するお馴染みのCMを見ては「食べたい! 作りたい!」と親におねだりをしていた子ども時代を思い出します。

 娘がYouTuberのように「それでは早速食べてみたいと思います」と言い、娘と母で試食スタートです。

 ソーダ味には商品のキャラクター「ねるね」の顔がついたラムネも入っていると娘に伝えたところ、早速探し出し、すぐに見つけて大興奮。

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ねるね」の顔がついたラムネを見つけて見せてくれました。

 娘が一番好きなのはブドウ味。「味と色とどちらも好きだから」だそうです。母も懐かしい味に手が止まりませんでした。

 新作のクリームソーダ味は酸味のあるメロンソーダ味の「ねるねる」にまろやかなクリームソースをつけて食べると、二つの対比がいいアクセントになって楽しく食べられました。

「ねるねるねるね」が子どもたちに届けたい価値は?

 さて、「ねるねるねるね」をはじめとした「知育菓子Ⓡ」を通じて子供たちに届けたい価値とはどのようなものなのでしょうか?

 「知育菓子Ⓡ」についての疑問を、クラシエフーズ株式会社の小長谷理絵さん(マーケティング室マーケティンググループ)に伺いました。

筆者(以下:筆):貴社の商品のうち「知育菓子Ⓡ」に分類される最初のお菓子はどのようなものだったのですか?

小長谷さん(以下:小):手作りお菓子としては、1978年に発売された「プカポン」というお菓子が最初です。

 粉末とラムネが入っているお菓子で、粉末を溶かしたジュースの中をラムネがプカプカ浮いたり沈んだり動くというお菓子になります。

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プカポンのパッケージ

:「手作りお菓子」ということは、その頃はまだ「知育菓子Ⓡ」という言葉はなかったのですね。では知育菓子Ⓡという言葉はいつ頃生まれて、消費者に何を訴えかけようとしたのでしょうか?

:知育菓子Ⓡは2006年頃より使用しており、商標の取得は2007年になります。

 ねるねるねるねなど科学の仕組みを利用して色が変わり、ふくらむということなどから、食べておいしいだけでなく学びの要素も価値としてアピールしています。

 当初は「創造力を育む知育菓子Ⓡ」としてドキドキワクワクを訴求していました。

:今回作って食べた「ねるねるねるね」のパッケージの裏を見ると、「どうしてふくらむの?」「どうして色が変わるの?」という子どもたちが抱きそうな疑問とその答えがわかりやすく書いてありますね。これをきっかけに理科が好きになるお子さんもたくさんいるのでしょうね。

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 では「知育菓子Ⓡ」とは社内でどのようなお菓子と考えられているのでしょうか?

:知育菓子Ⓡは、2021年1月に「らしく、のびていく」をキーワードに子どもの自信を育むお菓子として進化いたしました。

 予測困難な社会でも自ら課題を見つけ、学び、考え、行動する、「生きる力」を育成することが求められています。

 「生きる力」とは「子どもの自信」であり、知育菓子Ⓡは、お菓子を作る楽しさや美味しさを通して、「個性を伸ばす」「失敗を楽しむ」「違いを尊重する」という3つの価値を提供することで、子どもの自信を育むことができると考えています。

:知育菓子Ⓡは当初「手作りするお菓子」として生まれ、科学に対する子どもの好奇心に着目し、現在では、子どもたちの成長に寄り添い自信を育むお菓子と変化してきたのですね。貴重なお話ありがとうございました。

 現代の子供たちは「怪我をしないように……」「間違うことのないよう……」と、「失敗」を学ぶ機会が減っているとも言われます。また「多様性の時代」とも言われますので「違いを尊重する」物事の捉え方、「自分らしく生きるという個性を伸ばすこと」といずれも親として子どもに身につけて欲しい価値観です。

 楽しみながら学べるお菓子「知育菓子Ⓡ」。今後はただのお菓子とは違う見方をしていきたいです。

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