就活セクハラの手口と実態 法律の問題点と求められる対策について弁護士に聞いた

文=雪代すみれ
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「何が違反行為なのか」就活生や学校にも周知を

 目の前の被害を防ぐ方法だけでなく、学生が安心して就職活動をできるよう、学校や企業も対策を講ずる必要がある。

 現状、学校側の知識不足を感じます。実態や加害者手口などの情報を知り、相談窓口を設け積極的に学生の声を聴く姿勢でいることはもちろん、就活の中で起きるハラスメント事例と回避方法を、学校として学生に教えるべきだと思います。特に深刻な被害は、大学側から企業に抗議することも含めて、対策したり指針の作成がされるべきです。

 大学側が学生に教えるノウハウを持っていない場合は、就活講座の一環として、弁護士に講座を依頼する方法もあります。数年前にブラック企業が注目を集めた際には、私の元にも大学からよく講演依頼がありました。

 企業側は、「マッチングアプリの利用」「個人的な連絡先の交換」「一対一の飲食を伴う面談」「夜に会うこと」など具体的に禁止事項を定め、内部向けに注意喚起や研修をし、さらにその内容を対外的にも公表すべきです。というのも、就活生がその規則を知っていれば、被害の手前で違和感に気づけますし、違反行為に対し相談しやすくなるからです。また、就活生が措置義務の保護対象になった際には、企業が行っている就活ハラスメント対策を就活生や学校など、対外的に公表することも措置義務に含めるべきだと思います。

 企業内セクハラでも、被害を受ける背景に社内の権力関係がありますが、就活生は採用する側とされる側なのでなおさら権力差が明確です。立場の弱い方から拒否を示すのが難しいのは当然で、企業は社員に「就活セクハラをさせない」という姿勢が求められます。(新村弁護士)

 ここ数年、ハラスメント事件が表沙汰になれば、企業のイメージが低下するようになった。SDGsへの関心も高く、人権を尊重しない企業は評価されない流れが出来つつある。世間の意識を高めたり、「ハラスメントを許さない」という方針を示すことと、具体的にハラスメントから被害者を守るための規制と、両輪で進める必要があるだろう。

※性暴力被害に遭ったときの相談先

■性犯罪・性暴力被害者のための全国共通短縮番号「#8891」(はやくワンストップ)
発信場所から最寄りのワンストップ支援センターへつながる。最寄りのワンストップ支援センターの情報が知りたい場合は、こちらからチェックできる。

■各都道府県警察の性犯罪被害相談窓口の全国共通短縮番号「#8103」(ハートさん)
発信された地域を管轄する各都道府県警察の性犯罪被害相談窓口につながる。

■内閣府の性暴力のお悩み相談「Curetime」

毎週月・水・土曜日の17時~21時の間、チャットで相談ができる。
「Curetime」のTwitter:@curetime1

8割が「相談できなかった」…性暴力被害者が「自分も悪い」と口を閉ざしてしまわないように

——LGBTQ+、フェミニズム、家族・友人・同僚との人間関係etc.……悩める若者たちの心にSNSを通して寄り添う臨床心理士が伝えたい、こころの話。…

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就活セクハラの手口と実態 法律の問題点と求められる対策について弁護士に聞いたの画像2 ウェジー 2020.08.12

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