吸水ショーツ「Rinē」の信近エリさんに取材「“女性特有の悩みでパフォーマンスが変化するのは当たり前”と思う必要はない」

文=田口るい
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Rinēの吸収ショーツ(Rinē提供)

 近年、注目度が高まっているフェムテック。今年に入ってからは「ユニクロ」や「GU」が吸水ショーツをリリースしたことも話題になりました。

 今回紹介する「Rinē(リネ)」は、吸水ショーツに加えて授乳期に使える吸水ブラレットも販売し、産後のママにも寄り添ってくれるフェムテックブランドです。同ブランドを立ち上げた株式会社Neithの代表・信近エリさんに、商品開発の経緯や現在の活動を通して女性たち・男性たちに伝えたいことを聞きました。

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信近エリ
株式会社Neith 代表取締役CEO

シンガーソングライターとして活動後、飲食店のブランドディレクターとして、国内外への出店を経験。2020年に株式会社Neithを創業し、フェムテックブランドRinēを運営している。

ーー「Rinē」を立ち上げた経緯を教えてください。

 私はもともとシンガーソングライターとして活動していたのですが、2017年に飲食店のブランドディレクターとして企画からマーケティング、フランチャイズ展開などに携わったことで「ビジネスって面白いな」と感じるようになったんです。それをきっかけに、私にできることは何かと考えた時に浮かんだのがフェムテックでした。

 というのも私は当時から吸水ショーツユーザーで、世界中からいろんな吸水ショーツを取り寄せていたのですが、どのショーツも使い心地や価格面など気になる部分があって、どうしても“お気に入りの吸水ショーツ”を見つけることができませんでした。その経験から「もしこれらの部分が改善された吸水ショーツがあったら、吸水ショーツ自体の普及にもつながるのでは?」と考え、自分で作ってみることにしました。

ーー「Rinē」の吸水ショーツにはどんな特徴がありますか?

 「吸水量の多さとはき心地の良さを両立」という特徴があります。従来の吸水ショーツは機能性を重視して水着のようにテカテカした素材が使われているものが多かったのですが、「Rinē」は「吸水ショーツだけど普段の下着に近い」という形を目指したので、柔らかくて伸縮性のあるテンセル素材を採用しました。

 ただ吸水ショーツである以上、モレを防ぐための吸水機能も重要です。そのために、クロッチからヒップの部分は新構造の吸水素材を採用した4層構造にしました。レギュラータイプは60ml(ナプキン約6枚分)、フルタイプは110ml(ナプキン約11枚分)の吸水量があるので、多い日と普通の日で使い分けることができます。また、ユーザーの方からの「親子で吸水ショーツを使いたい」という声に応えて、S・M・Lサイズの他に、XSのジュニアサイズも追加しました。

ーー「Rinē」では吸水ブラレットも発売されていますが、数あるフェムテックブランドの中でも珍しい商品ですよね。

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Rinēのブラレット(Rinē提供)

 吸水ショーツを開発している時に「授乳期の女性の中には、母乳で下着が汚れたり、肌荒れしたりするのを防ぐために母乳パッドを使う人がいる」ということを知ったのですが、そこから「吸水ショーツと同じ構造で、授乳期の女性のためのブラレットが作れるのでは?」と気づいたんです。

 ちなみに「Rinē」には吸水ブラレットのほか、ノーマルタイプのブラレットもあるのですが、どちらもショーツとセットアップで着用できるデザインなので、<ランジェリーが上下で揃えられないのが気になる>という悩みも解消できるんです。

ーー女性の中には<吸水ショーツに興味があるけど、実際の使い心地が想像できない>という方もいるようです。吸水ショーツを使う際のコツなどはありますか。

 まずは量の少ない日に使ってみると、使い心地がわかりやすいですし、モレの不安も少ないと思います。多い日でモレが心配な時はタンポンや体につけるフィットタイプの生理用品と併用するのもおすすめです。

 吸水ショーツを使うと、ショーツを洗う手間はありますが、使用済み生理用品のゴミが減りますし、外出時に生理用品をたくさん持ち歩く必要がなくなります。また、外出先のトイレではサニタリーボックスの衛生面が気になる方にとっては、それに触れなくていいといったメリットも。私自身、吸水ショーツを使うようになったことでさまざまな負担から解放されたと感じています。

ーーフェムテック商品を通して、女性たち・男性たちに伝えたいことはありますか?

 女性たちには女性特有の悩みでパフォーマンスが変化することを当たり前だと思わず、それを解消するためにいろんな選択肢があるということを伝えたいです。私が「Rinē」を立ち上げた時にも感じたのですが、新しいアイデアに賛同してくれる人たちがいた結果、それが一つのビジネスになって、結果として人々のライフスタイルが変わっていくこともあります。長年感じていた不都合がちょっとしたアイデアで変わることもあると思うので、「悩みやストレスを少しでも減らしたい」という気持ちを大切にしてほしいですね。

 男性たちにはフェムテックや女性特有の悩みについて知識がないという方も多いと思います。それゆえに「わからないので下手に触れられない」という意識があって、ある意味タブー視してしまっているようにも感じます。ですが、フェムテックは生理だけでなく、妊活や育児など男性にもかかわりが深い悩みを解消するための商品やサービスもたくさんあって、性別関係なくすべての人々が快適な生活を送ることを目指しているともいえるのではないでしょうか。なので、少しでも興味を持って、知ることから始めてもらえればうれしいです。

「Rinē」の公式サイトはこちらから!

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