一貫性を持つ、約束は守る、嘘をつかない…子育てのモットーは子どもに向き合うこと

文=うさぎママ
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Gettyimagesより

前回までのあらすじ

 特別養子縁組で、かわいい我が子に出会えた著者夫妻。偏見を恐れることなく、養子縁組をしたことを周囲に報告します。もうひとり子どもを引き取りたいと思いましたが、待機里親が多く、その願いは叶わなかったのですが、子育ての日々は充実していて。

第3章 アンの子ども時代:乳幼児のアン

 アンは身軽で歩き出すのも早かったので、1歳の誕生日の翌日からはバギーにものせず、近くの公園やスーパーには歩いていくようにしました。もちろん、しっかり手をつなぐことがお約束。1歳からの習慣だからか、2歳や3歳になっても、勝手に手を振り払って危ない車道や駐車場でかけ出すなんてことはなく、お出かけも安心でした。

 ハイハイの頃から、私は一貫性を大事にしていて、一度「ダメ」と言ったら絶対に「ダメ」を通したこと、性格的なこともあってか、アンは聞き分けがよくて困ることはあまりなかったです。スーパーでお菓子やおもちゃをほしがっても、「今日はお肉とお野菜を買いにきたからダメだよ」と、おねだりされたからといって買わないようにしました。別の日に「今日はお菓子を買いにいこうね」と出かけ、「ひとつだけアンの好きなのを選んでいいよ」と伝えて買うようにしていました。満面の笑みで、お菓子を選ぶアン。たいていは食べさせたくないようなお菓子を選んできましたけど、ドンマイ、ドンマイ。

 そして、必ず家に帰るまでは我慢させました。「この子は言ってもきかないから」とスーパー内で支払い前のお菓子をあげている親もいましたが、大さっぱな私でもこれはNG。小さいからわからないってことは絶対ないと思っています。子どもは「親は約束を守ってくれる」と信じていたら、聞いてくれるはずです。

 小さなことでも、約束したら必ず守る。

「あとで」と言ったら、必ずあとでかなえる。

 その場を切り抜けるための嘘はつかない。

 忙しい子育て中には、しんどくてごまかしたいときも、どさくさで「子どもも忘れているみたいだし」と知らん顔したいときも、しょっちゅうあると思います。私もありました。でも、ちゃんと向き合っていたほうが、親子ともラクです。私は向き合ってくれなかった自分の親を反面教師にして、子どもに向き合うことだけは忘れないでいこうと思っていました。

 もちろん、夫も大奮闘。アンを迎えたときに言った「この子のために、がんがん働く!」という言葉に嘘はなく、毎日遅くまで仕事を頑張っていました。そして時間があるときは、お得意の身体を使ったダイナミックな遊びをしたりして。もちろん、アンはやさしくて甘いパパが大好きでした。

 2歳頃になると、遅れて夕食をとる夫の皿から少しだけわけてもらうのがアンの楽しみになりました。いつの間にか、食べ物の好みも自分に似てきたアンに目を細める夫。帰宅時間前に「あ、パパが帰ってくるから、玄関のあかりをつけてね」と言うと、スイッチを入れてくれるようにもなりました。

 夫の帰りが早いと「一緒にお風呂に入ってね」と繰り返しお願いしていたアン。先に夫が身体を洗ってからアンを呼んでくれるはずなのに、くたくたに疲れた日などはアンが様子を見にいくと、忘れてあがって身体を拭いていたりして。そんなときのアンのがっかりした表情は、今でも思い浮かびます。

 また、同じ頃、一匹狼的な性格から会社勤めが肌に合わず、フリーランスで気ままに仕事をしていた夫がまさかの就職。「病気にでもなったら、この子を養えない」と、保険の意味合いでの転身でした。そこまで自分を曲げるとは、と驚きました。父親の自覚、アンへの責任感は、深い愛情から生まれたものだと思うと、私はうれしくてたまりませんでした。(続く)

 次回更新は10月25日(月)です。

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