森戸やすみ先生に聞く「子どもに解熱剤鎮痛剤は使わないほうがいい?  アセトアミノフェンならいい?」

文=森戸やすみ
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Gettyimagesより

Q.子どもに解熱剤鎮痛剤は使わないほうがいい?  アセトアミノフェンならいい?

A.38.5℃以上あるとき、痛みがあるときはアセトアミノフェンを使っても大丈夫です

 前回、体内に病原微生物が入ってきたときに熱が出るのは、自らを守るためだとお伝えしました。だから、あまり熱が高くなかったり、つらくなさそうであれば、解熱鎮痛剤を使う必要はありません。でも、高熱で眠れなかったり、喉や頭、関節などが痛かったらつらいですよね。そういうときは、無理をしないで解熱鎮痛剤を使っても大丈夫です。解熱鎮痛剤を使う目安は、体温が38.5℃以上でつらかったり、痛みがあるときと考えましょう。

 解熱鎮痛剤は、小児科を受診して出してもらうこともできますが、薬局で購入することもできます。子どもの場合は、アセトアミノフェンのものを選んでください。これは最も副作用が少ないためで、大人でもインフルエンザを疑うときはアセトアミノフェンのものを選ぶと安心です。

 解熱鎮痛剤にはシロップ、粉、錠剤、座薬などがあります。子どもにはシロップか粉か座薬がいいでしょう。剤型の希望がある場合、小児科では医師に(処方される前に)、薬局では薬剤師に伝えてみてください。シロップなら飲めるという子もいれば、座薬でないと難しいという子もいると思います。赤ちゃんの場合は、座薬が最も使いやすいだろうと思います。

 次に使うときのコツです。シロップや粉の場合は、とにかく飲みやすくしてあげましょう。水はもちろん、ジュースやゼリー、アイスクリーム、ゼリー状のオブラートなどに混ぜても構いません。どんなにいい薬でも子どもが嫌がって飲まないと意味がありませんから、なるべく嫌がられないようにするのは大事なことですね。座薬の場合は、子どもを仰向けに寝かせて足をM字に曲げ、肛門に入れて4〜5秒押さえてから足をまっすぐ伸ばすと、奥までスムーズに入っていきます。

 たまに「解熱鎮痛剤をあげたのに平熱にならない」、「数時間後に再び熱があがった」と心配される保護者の方がいますが、解熱鎮痛剤で平熱まで下がるとは限りませんし、一時的に熱を下げて痛みを取るための薬なので当然です。つらそうだったら、4〜6時間あけて、再び薬をとらせるようにしましょう。ただし、1日3回くらいまでにしてくださいね。

<今回のポイント>

○ 38.5℃以上でぐったりしているとき、痛みのあるときは解熱鎮痛剤を。
○ 子どもはアセトアミノフェン
○ 子どもに合う剤型を選んで
○ 薬局でも購入できる

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