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Q.子ども向けの市販薬も多種類あると聞きますが、どれがいいかわかりません。
A.薬剤師に、症状または必要な薬の種類、年齢を伝えて相談してみましょう。
調剤薬局で処方薬をもらうときにしか薬剤師と話したことがないという人もいるだろうと思います。でも、それはじつはもったいないこと。「薬局」 には薬剤師がいて、「薬店」にはいないという違いがあり、「ドラッグストア」は薬店でしたが最近は薬剤師がいるお店が増えました。市販薬(OTC医薬品)のことでわからないことがあれば、ぜひ薬剤師さんに聞いてみましょう。また、お子さんの症状もしくは必要な薬の種類、使える剤型(粉がいいとか、シロップがいいとか)、年齢などを伝えて、薬選びを手伝ってもらうと安心だと思います。
意外と知られていませんが、子ども向けの市販薬は割とたくさんあるもの。風邪薬や解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン)は種類もいろいろあります。そのほか、花粉症やアレルギー性鼻炎の点鼻薬や点眼薬、便秘のときに使うグリセリン浣腸もあるんです。また保護剤のワセリンや保湿剤のヒルドイド、虫刺されの薬、かゆみや炎症を抑えるステロイドなどの塗り薬もあります。
もちろん、医師に相談したいことがあるとき、重大な病気かもしれないときなどは、小児科などへいくべきです。でも、たいしたことがなさそうだたり、病院やクリニックのあいている時間に間に合わそうだったり、待ち時間でかえってつらくなりそうだったり、保護者のほうが連れていくのが大変だったり、他の感染症が心配だったりするときは、市販薬を試してみるのもいいでしょう。市販薬を使ってもよくならないときは、必ず病院やクリニックを受診しましょう。
ちなみに家計をひとつにする家族の1年間の医療費が10万円を超える場合に医療費控除が受けられますが、OTC医薬品も対象ですから、レシートを取っておくといいでしょう。また医療費控除を受けず、特定のOTC医薬品を1万2千円以上購入した場合にセルフメディケーション税制を受けられることがあるので、調べてみるといいと思います。
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
厚生労働省 セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html?_fsi=dTJbTjdg
<今回のポイント>
○ わからないことがあれば薬剤師に相談
○ 子ども向けの市販薬もいろいろある
○ 医療費控除・セルフメディケーション税制を受けられる可能性があるためレシートを保管。

森戸やすみ『小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK ~いつものケアから不調のときの対処法まで』(内外出版社)