
Gettyimagesより
Q.子どもの皮膚がカサカサで心配です。どうしたらいいでしょうか?
A.あまりゴシゴシ洗わず、朝晩は保湿剤や保護剤をたっぷり塗りましょう。
子どもの皮膚は薄くてデリケートなうえ、皮脂の分泌量が少ないので乾燥しやすいもの。特に空気が乾燥する冬から春にかけてはカサカサになりやすいので、できるだけこまめにケアしてあげましょう。しっかり保湿することでカサつきやかゆみを緩和できますし、アレルギーのリスクを減らすこともできます。
まず、お風呂で湯船につかる際は、熱すぎない37〜40℃くらいのお湯で、長湯をしないようにしてください。身体を洗うときは、ナイロン製はもちろん綿などのタオルやブラシは使わず、手を使ってたっぷりの泡でやさしくなでるようにして洗うといいでしょう。そのほうが摩擦によって肌を傷つける心配がありません。ゴシゴシ洗わないことも大切です。洗浄剤は、泡タイプのボディーソープでも、固形または液体の石鹸を使ってもいいのですが、香料などの添加物が少ないもののほうが刺激が少ないのでおすすめ。洗い終えたら、石鹸の成分が残らないよう、ぬるめのお湯でしっかり洗い流してください。
一方、粉をふくほどカサついている場合は、洗いすぎが原因かもしれません。石鹸を使うのをやめて、さっと湯船につかったり、お湯で流したりするだけにしましょう。大人の場合でも同じなのですが、乾燥がひどいときは石鹸を使わないほうがいいこともあります。気になるようなら、背中などのベタつくところだけ石鹸で洗うのもいいかもしれません。
お風呂上がりには、しっかり保湿・保護を。ヒルドイドのような保湿剤、ワセリンなどの保護剤がありますが、どちらでもかまいません。形状にもさまざまなタイプがありますが、夏はさっぱりとした液体タイプ、春と秋は塗りやすいクリームタイプ、冬は伸びが悪いけれど保護力の高いワセリンがおすすめです。市販の場合は、プロペト(ワセリン)、ヒルマイルド( ヘパリン類似物質)、セラミドが入った保湿剤がいいでしょう。乾燥がひどい場合は、小児科や皮膚科で処方してもらうこともできます。
清潔な手にたっぷりの量を出し、塗る場所に点々とおいてから、手のひら全体を使って円を描くように伸ばしていくのが上手に塗るコツ。また、ちょっと塗りすぎてベタベタするくらいの量が最適です。思ったよりたくさん塗る、を心がけてくださいね。朝もできるだけしっかり保湿しましょう。
こうして保湿剤や保護剤1日に2〜3回くらい塗り続けていると、肌がしっとりしてくるはずです。それでもよくならない場合、とびひや接触性皮膚炎などのトラブルが起きている場合は、小児科か皮膚科で相談しましょう。
<今回のポイント>
○ 熱すぎるお湯、長湯には要注意
○ 身体はタオルやブラシではなく手で洗う
○ 朝晩1日2回くらいしっかり保湿を

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