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筆者は現在40代ですが、この年になって、若かった時にはスルーしていたことや、あまり意識していなかったことに目がいくようになりました。たとえば雑誌やインターネットで目にする、女性の悩みに対する「アドバイス」や「解決方法」には女性に負担を強いるものが少なくなく、気になっています。
「毛深いのは、女性の生活態度が原因」だという説
筆者は毛深くそれが悩みでもありましたが、ようやく数年前に永久脱毛に通い始め、毛深いという悩みは解消されつつあります。若かった頃は、雑誌に「毛」にまつわる話が載ると、真剣に読み漁ったものです。
女性が「毛深さ」について悩んでいると、昔も今もよく目にするのは「不規則な生活によってホルモンバランスが崩れるのが毛深さの原因」「まずは不規則な生活の改善から」といった類のアドバイスです。
これはいっけん前向きなアドバイスのようですが、実際には仕事で多忙にしている女性が「毛」の悩みの解消のために仕事を減らすわけにはいきません。そういうことを考慮していないという面において「ずいぶんと上から目線なアドバイスだな」と思うわけです。
毛深いことに悩んでいる女性に対して「食の欧米化もひとつの原因なので、まずは健康的な和食中心の生活を心がけましょう」という「アドバイス」もよく耳にします。若かった頃、筆者はこれを真に受け、長らく和食中心の生活にしてみましたが、一向に毛が減る気配はありませんでした。
今になって思うのは、女性の悩みに対して、合理的なアドバイスよりも、精神論を振りかざすアドバイスが多いということです。だから「毛深いのは最近の女性の生活が不規則だから。まずはそこを改善すべき」というアドバイスになってしまうのでしょう。
世の中は「女性の悩みは生活態度の乱れに原因がある」「だからまずは女性が生活改善をすべき」といった情報であふれています。若い時はそのことに気付きませんでしたが、女を46年もやっている今は「ああ、そういうことなんだな。アドバイスを全て真に受けてはいけないな」と思うように。アドバイスは精神論ではなく、やはり合理的なものに限ると強く思うようになりました。
女性の恋愛は上書き保存型?
恋愛について、巷では「女性は上書き保存型」「男性はフォルダ保存」と言われています。「女性は新たな恋愛をすることで、過去の交際相手のことを完全に忘れる」とされており、これがいわば「上書き」というわけです。逆に「男性は過去の女性を完全に忘れることはなく、必要な時にまたアクセスできるように、別れた後はフォルダ型で保存している」というのもまた巷では定説になっています。
これが世間で言われているだけのことなのか、それとも本当にそうなのかは、分かりません。ただ筆者に関しては、上書きというよりもフォルダ保存型のように思います。過去に付き合っていた恋愛相手と今も友達としてSNSでつながっていたりもしますし、そのことについて特に違和感は持っていません。
考えてみれば筆者が出身のドイツにはこのようなタイプの人が男女を問わず多い印象です。よほどこじれた別れ方をしなければ、一度は愛した相手と友達になったり知人になったりというのは「あり」だという考え方です。結婚や離婚に関しても同様の感覚を持つ人が多いため、離婚後に女性が子供を育てることになっても、子供が父親や、父親の新しいパートナーと交流することは自然な流れなのです。
日本では「けじめ」が大事にされるためか、「過去のことは過去のこと」として現在とキッパリ切り離さないと白い目で見られることが多い印象です。そのため別れた相手とは完全に縁を切ろうとする女性が多いのかもしれません。逆に何らかの形でつながっていたら、「下心がある」とか「だらしない」などと言われてしまこともあります。
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