マルチ商法とスピリチュアル・ビジネスについて語り尽くしたトークイベント動画の販売開始! 当日の様子を一部レポートします。

文=wezzy編集部
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左から、三浦ゆえさん、西尾潤さん、山田ノジルさん、黒猫ドラネコさん

 10月3日に開催したトークイベント「山田ノジル&黒猫ドラネコの『呪われ注意報』」(サイゾーウーマン × wezzy主催)のアーカイブ動画の販売を開始いたします。

 本イベントは、wezzyの人気連載「スピリチュアル百鬼夜行」の山田ノジルさんとサイゾーウーマンで「黒猫ドラネコの“教祖様”注意報」を連載中の黒猫ドラネコさんが、ゲストをお招きして、日常に潜むさまざまなトンデモ・スピリチュアルについて話し合うというもの(司会:三浦ゆえさん)。

 今回は、マルチ商法で月収150万円を稼ぎ出し、そして借金700万円を抱えた実体験をもとに、マルチ商法にハマった女性を描いた『マルチの子』(徳間書店)の著者・西尾潤さんをお迎えして、マルチ商法のアレコレについて、スピリチュアルビジネスとの共通点について語り尽くしていただきました。

 イベントの様子を要約してお届けします。続きが気になる方はぜひアーカイブ動画をご購入ください!

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◎ゲスト
西尾潤(にしお・じゅん)
大阪府出身。大阪市立工芸高等学校卒業。ヘアメイク、スタイリスト。2018年「愚か者の身分」で第二回大藪春彦新人賞を受賞。受賞作を含む『愚か者の身分』(徳間書店)で2019年デビュー。20歳でマルチ商法の世界に入り、最年少でランク保持者に。月収150万円を超えるが、結果700万円の借金を抱える生活に転落。その後、マルチ商法を離れて美容の世界へ入り、ヘアメイク、及び映画やドラマの衣装担当として数々の有名人と仕事を共にする。当時の体験が『マルチの子』(同)の元ネタとなった。

◎出演者
黒猫ドラネコ
大分県生まれ、大阪を経て東京都内在住の36歳。職業、性別は非公表。身内が「子宮系女子」となって壊れた経験から、怪しいスピリチュアルや自己啓発セミナーなどの監視と注意喚起を開始。本当の趣味はスポーツ観戦、漫画・アニメ鑑賞。3食スイーツでもいい甘党。サイゾーウーマンにて「スピリチュアルウォッチャー・黒猫ドラネコの“教祖様”注意報」連載中。

山田ノジル
自然派、エコ、オーガニック、ホリスティック、○○セラピー、お話会。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のないトンデモ健康法をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。

◎司会
三浦ゆえ
フリー編集&ライター。富山県出身。複数の出版社に勤務し、2009年にフリーに転身。女性の性と生をテーマに取材、執筆活動を行うほか、『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』シリーズをはじめ、『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス)、『失職女子。~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで~』『私、いつまで産めますか?~卵子のプロと考えるウミドキと凍結保存~』(ともにWAVE出版)などの編集協力を担当。著書に『セックスペディアー平成女子性欲事典ー』(文藝春秋)がある。

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 当日は、前半に山田ノジルさん、黒猫ドラネコさん、そして司会の三浦ゆえさんが、西尾潤さんにマルチ商法の実体験を伺い、後半にはマルチ商法とスピリチュアルビジネスの共通点について、最後に参加者の皆さんから受けた質問に回答するという流れで進められました。

 西尾さんがマルチ商法を始めたきっかけは、アルバイト先の先輩からの勧誘でした。学生時代にも勧誘されたこともあったそうですが、その時は未成年だったこともあり両親からの承諾が得られなかったとのこと。

「いま思えば、その先輩は勧誘する相手をハントするためにアルバイトに来ていたのかも」
「『以前誘われた時に面白そうだと思った』と先輩に話したので、スイッチオンされたのかもしれない」

 とかつてを振り返る西尾さん。実際に勧誘を始める前から、先輩に『マーフィーの人間哲学』や『アメリカの心』を勧められ、「何百万も払ってビジネスを始めることはできないけど、(当時売っていた)お風呂の機械を一台買うだけで始められるビジネスなんてすごい!」とやる気満々になっていたそうです。

 マルチ商法の勧誘は、家族や友人、仕事先、サークルなど様々な場面で行われていると聞きます。しかし黒猫ドラネコさんも山田ノジルさんも「楽しみにしているけど、一度も勧誘されたことがない」「周りの人が宗教やマルチの勧誘を受けているのに、私だけ誘われない」と言います。もしかしたら、狙われやすい人とそうでない人がいるのかもしれません。

 趣味のサークルや街コンに繰り出して勧誘している知り合いのグループはいたそうですが、西尾さんは奥手だったこともあって、そういう場には足を運ばず、当初は「いい話を人に教えてあげたいって純粋な気持ち」で身近な友人たちに声をかけていたとのこと。次第に、友人たちを勧誘するのに疲れてしまい、親戚に声をかけたものの、嫌な顔をされ、両親にも止められてしまったとお話になっていました。

 それでも、少しずつ成果をあげ、若くして月収700万円にまで到達した西尾さんですが……実際には常に高収入だったわけではなく、上がり下がりも多かったようです。「○○で月収○○万円を達成!」といった宣伝文句の実態が垣間みえた場面でした。

 西尾さんがマルチ勧誘を辞めたのは、“いつの間にか”700万円もの借金を抱えていたことがきっかけでした。辞めるように促されるのが嫌で金融機関を利用していたものの、目の前の支払いに手が回らなくなり、いよいよ親に相談。「なんでそんな額になるまで話してくれなかったんだ」と言われたそう。

 イベントの後半は、「承認欲求」をキーワードに、マルチ商法とスピリチュアルビジネスの共通点について話し合われています。この「相談しない/できない」あるいは「孤立」はマルチ商法に限らずスピリチュアルビジネスにも共通する問題でしょう。

 スピリチュアルにハマった人は、家族や周りの人から「おかしくなってしまった人」と見られてしまう、ある種の「社会性をなくした」状態にあるのではという黒猫ドラネコさん。

 親からとがめられることもなく、だからこそ借金がふくらんでしまった西尾さんですが、マルチ商法を始めてから、次第に友人たちが離れてしまったところがあったと振り返り、外部からの目によってマルチ商法内部の結束がむしろ高まっているところがあるのかもしれないと言います。

 スピリチュアルそのものを全否定するのではなく、ウソの効果・効用をうたって健康問題につながる商品を売りつけるようなビジネスをしている 人たちを批判している山田ノジルさんと黒猫ドラネコさんですが、一方で、そうした批判がむしろ「孤立」を生み出してしまっている、問題のあるスピリチュアルにより一層ハマっていく状況を作り出してしまっている可能性もあるだろうと考えているそうです。

 ここからイベントは、マルチ商法とスピリチュアルビジネスに見られる「承認欲求」の問題について、共通点や相違点を炙り出しながら考えを深めていきます。

 本記事は、イベントのほんの一部を抜き出したものです。他にも、マルチ商法で実際にどのような勧誘が行われていたのか(落語みたいに師匠と話し方が似ていく!)、スピリチュアルもマルチも実は内側で経済がまわっている? 相性バツグンなマルチ商法と「疑似科学」、問題のあるマルチ商法やスピリチュアルにハマらないためにはどうすればいいのか、身近な人間に抜け出してもらうために私たちができることはあるのか、などなど大盛り上がりをみせたイベントの全容は、ぜひアーカイブ動画でご確認ください!

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