竹野内豊と研音の関係に記者が感じたこと 事務所の「守る」と「管理」は紙一重

文=秘密のアツコちゃん
【この記事のキーワード】
竹野内豊と研音の関係に記者が感じたこと 事務所の「守る」と「管理」は紙一重の画像1

竹野内豊オフィシャルサイトより

 11月12日、竹野内豊が所属している大手芸能事務所・研音を離れると発表しました。でも、俳優として大ブレイクしていく過程をつぶさに見てきたアツには研音のマネージメントに少し思うところもあった様子。今回はそんな思い出を振り返ります。

ーーー

 皆さん、ごきげんよう。アツこと秘密のアツコちゃんです!

 竹野内 豊さんが26年間もの長きに渡って在籍していた芸能事務所・研音を、12月31日をもって退社されるとのこと。突然の公式サイトでの発表でファンの皆さんも驚かれたと思うけど、マスコミ連中も「何があった?」と右往左往。アツがいる編集部でも「え〜、撮影していた2022年の新春スペシャルドラマ『義母と娘のブルース』(TBS系)はど〜すんの?」と騒ぎになったぐらいだけど、研音によると2022年以降も既に決まっているお仕事に関しては「当面の間、弊社が窓口となります」とのことなのでまずはご安心を。

 大ヒットした綾瀬はるかさん主演の『ぎぼむす』に竹野内さんが出ないなんてことになったら、ストーリーが進まないし、特に今回は重要なシーンがいっぱいだし。

 竹野内さんが演じるのは仕事のできる亜希子(綾瀬)の亡くなった夫・良一と、その良一に瓜二つの謎めく男・良治の二役。2020年の正月スペシャルでは亜希子が大阪のゴルディック社に赴くと、そこにはファンドマネージャーの岩城良治という男性がいて、そのそっくりっぷりに、いつもは冷静沈着な亜希子もさすがにボーゼンとしてしまう……というところで終わっていて、良治が誰なのか? 亜希子とはどーなるのか? 亜希子を好きな佐藤健くん演じる麦田ベーカリーの麦田はどーするのか? 結局、亜希子は誰と結ばれるのか? 等などストーリー的にも気になる点があり過ぎて。

 それに女性編集部員たちはこんなことを言い出す始末で。「竹野内さんが退社となると『ぎぼむす』スペシャルはまさか今回限りだったりするの? 続くとしてももしかしたら竹野内さんは出なくなったりするんじゃ?」とヘンな妄想を始めちゃうし。もうどうしたらいいのやら。

 女性編集部員たちの勝手な妄想トークの横では男性編集部員たちが「この前、片瀬那奈が不自然な形で研音を退社したばかりだから、もしや竹野内 豊にも何かあるのかと最初は勘ぐっちゃったよな」とポツリ。続けて「まぁ片瀬那奈は少し前から不穏な空気を醸し出していたからそんなに驚かなかったけど、竹野内は研音の優等生俳優だったから急な退社って? と不思議に思ったんだけど、直筆メッセージを読んで納得したよ。それにしても達筆だよなぁ」と感心した様子。

 竹野内さん曰く「五十歳を節目とし、環境を変えてみたいという突き上げられる思いを感じ、新たな心で原点に立ち再スタートを試みたい」とのことで決断したようなんだけど、このリスタートを応援したい気満々のアツなのです。

俳優に転身した直後はもがき苦しんだ

 竹野内さんといえばかつてはモデルさんで、端正な顔立ちと抜群のスタイルですぐに話題に。その後、俳優業へと転身。1994年のドラマ『ボクの就職』(TBS系)で俳優デビュー。当時のプロデューサーは「とても緊張していてモノになるかどうか、最初は正直よく分からなかった」と話されていたけれど「でもとにかく声がいい」と評判で。

 アツが初めてインタビューしたのは稲垣吾郎さんの主演ドラマ『東京大学物語』(テレビ朝日系)の時。まだ小さな事務所に所属していた頃のこと。撮影で都内の大きな公園に行ったんだけど、自分で運転してきて飼っていたワンちゃんも連れて来てくれて、事務所じたいもアットホームで、ページも何もかもが手作りという感じでね。竹野内さんはとにかく真面目一筋だし紳士だし、でもちょっとトボけたところもあるから、ほんわかしたいい撮影&取材になったのよ。

 吾郎ちゃんに「あれ、いつの間に竹野内くんと仲良くなったの? 今日は僕じゃなくて竹野内くんの取材なの?」な〜んて言われながらも何度も現場にお邪魔して。

 そんなことがあって年が明けた1995年すぐに研音に移籍した竹野内さんは、同年4月からのドラマ『星の金貨』(日本テレビ系)に出演。主演は酒井法子さん。野島伸司さん原案の衝撃作で、安室奈美恵さんも当時「毎週、必ず見てます」と取材時に話していたぐらい、『星金』は一世を風靡した作品だったの。

 酒井さん演じる聴覚障害者のヒロインを巡り、腹違いの兄弟が愛に苦悩するラブストーリーではあるんだけど、そこは野島テイストだからドロドロ暗黒の世界が広がっていて。腹違いの兄弟役は竹野内さんと同じく俳優デビュー間もない大沢たかおさんで、二人は課題の多さに毎日が試練続き。緊張感も半端なくて食事もままならない状態になったことも。

 舞台は北海道でアツも何度も静内などへ足を運びました。竹野内さんは自分の出番がない時でも「勉強のために。現場の空気を感じるために」わざわざ北海道まで出向いていたほど。周囲から向けられた「大きな事務所に移籍したら、すぐにゴールデンタイムのドラマが決まったんだから凄いよね」という冷たい目を跳ね返すべく努力を積み重ねていて。もともと真面目一本槍の人だから見ていてちょっと辛くなっちゃったもの。

 だけど監督の要求は振り幅広く、なかなか上手くいかなくて一進一退の日々。大沢さんもだけど、竹野内さんも「追い詰められてる」感が満載だったのよ。でもね、正直に言っちゃうと確かに演技はまだまだで、最初の方は「大丈夫なんだろか? 最終回まで持つのかな?」とスタッフでさえ心配していたぐらい。ところが最終回を迎える頃にはミラクルが起きて、というか努力が実ってね。

 1996年には『続・星の金貨』、1997年には『星の金貨 完結編スペシャル』と出演。あのたどたどしかった演技はどこへやら。この短いスパンでよくぞ身につけたもんだと心底、感動しちゃったもの。

 まだ余裕とまではいかなかったみたいだけど、『星金』に関わった2年で「俳優としての自分」が少し見えてきたのかな? 自信が付いてきたような気がして近くで見ていて凄く嬉しかったのを覚えているわ。

1 2

「竹野内豊と研音の関係に記者が感じたこと 事務所の「守る」と「管理」は紙一重」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。