竹野内豊と研音の関係に記者が感じたこと 事務所の「守る」と「管理」は紙一重

文=秘密のアツコちゃん
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 ただ俳優としての毎日を送るために、当たり前だけど犠牲を払うことも多くなっていったみたいで。竹野内さんを育てた事務所幹部の方がいろんな意味で「生活を管理」することになったようで「小銭どころか、お財布も持てない」生活だったんだそう。

 竹野内さんってかつては「コーラが大好き」だったんだけど、一時はコーラ禁止のお達しが出たらしく、自販機前でうなだれてる姿も。「竹ちゃん、持ってって。怒られたらごめんね」と言ってこっそりコーラをポッケに突っ込んだり、チョコやお菓子をナイショで渡したり。もちろん健康面やいろんなことを考えての指導だったのだろうけど、人との関わりにも制限が。仕事の行き帰りは事務所の移動車でがっちりガード。ふらっとスーパーに買い物に行くことさえできず友達とも会えず。あまりに自由が無くて時に「息が詰まる」こともあって。

 でもその後も木村拓哉さん&山口智子さんの大ヒット作『ロングバケーション』や、反町隆史さんとの主演作『ビーチボーイズ』(ともにフジテレビ系)と立て続けに出演し人気を不動のものに。

 その頃は撮影に忙殺されていたけれど必死に食らいついていってたし、実力もついていたし、もうそろそろ少しは自由に動けるようになるんじゃと祈ったり。

 当時『星金』のスタッフが言ってたのだけど「竹野内 豊を大俳優にしようと事務所がガードして最大限の力を注いでいるのはよく分かるし凄いと思う。でも『星金』の時の番手は酒井法子、大沢たかお、竹野内 豊の順だったんだけど、『続・星金』の時は酒井法子、竹野内 豊、大沢たかおでと打診されて、その時は丁重にお断りした」んですって。大きな事務所だから、圧もそれなりに強大らしいのよね。

 ま、大事にされていたのは事実だし「俳優・竹野内 豊」を作り上げたのは本人の努力もあるけれど、事務所の尽力の賜物だから、竹野内さんも感謝しかないだろうけど。でも、もういいんじゃないかしら? 真摯に26年という歳月を過ごして恩返しは済んだと思うし、50歳を迎えたんだもの。自由に羽ばたいて欲しいなって。

 かつて事務所サイドから「竹野内 豊の表記は、苗字と名前の間は必ず半角アキで『竹野内 豊』で」と言われていたので、出版界では「竹野内半角アキ豊」と呼ばれているの。出身地に関しても「本当は埼玉なんですが『竹野内』姓は珍しくて五軒しかない。実家に突撃する人がいるので困っています。なので今後は東京出身で統一してください」と言われて守っていたのに、映画『翔んで埼玉』で、反町さんとともにあっさり埼玉出身カードが上げられていて笑ったっけ。これからの独立に際しても絶対に「竹野内 豊」にしなくちゃダメ? 「出身地・埼玉」にする? ど〜するの?

 竹野内さんに限らず、俳優やタレントを育てるマネージャー業につく方たちって、皆さん「守りたい、育てたい、スターにしたい!」と思っていて、我が子のように慈しんで接していらっしゃるし、それはとっても尊いことだと思うわ、自分のことなんて二の次だし。でもその限界を超えてしまうといろいろと弊害が出てしまうような気がするの。

 スウィートパワーのO社長も所属女優やタレントを深い愛情ゆえの「がっちりガード」でがんじ絡めにして、ちょっと反発食らっちゃったこともあったしね。

 上にいる人って指導するのはいいんだけど、あーしろこーしろと自分の好みや自分勝手な意見をただただ押し付けるばかりじゃヤバイんじゃ? それ痛すぎるでしょ? 今は「上に立つ人間は指導の際の言葉遣いなどには十分に気をつけること」といわれる時代なのに、まだ「恐怖政治で人を服従させようとする人」や「自分の立場や影響力を存分に知らしめる人」たちがいるのよね。そのマウントって、育てようとする人たちを成長させるものなの? やりたいことをやらせてみて、間違っていたらその時こそ、そっと正して手厚くサポートする方がうまくいくんじゃないかしら? 心配なのは分かるし、大切にしたいからと愛するがゆえの行為なのかもしれないけれど、初めから独占欲強く、あれもダメこれもダメじゃ、すぐに双方が苦しくなっちゃうだろうしね。

 いろんなマネージャーさんを見てきたけれど、意外と担当タレントを「野放し状態」にしている方が伸びていったりしてるのよ。そこに信頼関係があれば「放牧状態でウィンウィン」な関係になれたりしてるしね。もちろん人を育てるってとんでもなく難しいことなんだけど。

 竹野内さんの50歳の新たなる門出で幸あれ。人間、いくつからでも再スタートを切ることができるんですもの。この英断に勇気づけられた人も多いんじゃないかしら? 『ぎぼむす』も楽しみだけど、その後の竹野内セレクトの活動も期待大よ。どの作品でも監督や共演者ととことん話し合い、試行錯誤し、まっすぐに役に取り組んでいく彼だから心配はしてないわ。信じてるから。もうあなたの思ったまま&心のままに進んで行ってください。竹ちゃん、応援してるよ〜!

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