もともとは仲よしなのに子育てを始めてからパートナーとの衝突が増えた、というのはよく聞く話。その理由は、どちらかが悪いなどではなく、赤ちゃんはかわいいけれど、意外と育児自体は重労働で、正解がないからかも。そこで、漫画家・青鹿ユウさんが夫婦仲よく育児していくためのハックを、ご自身の経験を振り返りながら探っていく連載がこちら! 今回はネット上でもよく話題のなる「赤ちゃん泣かせっぱなし問題」について。
産後、揉めるあるある筆頭!「赤ちゃん、泣かせっぱなしにする? すぐに対応する?」問題ですが、我が家も朝まで生テレビばりにがっつり意見がぶつかりました。テーレーレレテッテー♪(あのオープニング)。何しろ以下のように、まったくの反対なんです。
私→泣いたらすぐに駆けつけ、泣いてる原因をつきとめたい。泣き止ませたい過激派
オット→短く泣く程度なら気にせず家事をしたり休んだり。泣かせておいても大丈夫派
私は、娘が泣いてもあまり気にしないないオットに「…育児なめてんの? 親の自覚ある? 少し相手したら、携帯や本を見てるとかダメすぎない? 万が一、ふーみんのヘルプを受け取り損ねて何かあったらどう責任取る気!?」とイライラ。オットは、何がなんでも泣き止ませようとしている私に「ちょっとでも泣くと駆けつけ、つきっきりであやしてる。終わったころには自分がヘトヘトでイライラをため込んで…。もう少し親も余裕をもって対応したほうがいいんじゃない? 育児に必要なのは泣き止ませることだけじゃないでしょ? それにふーみんだってなんとなく泣きたい時もあるんじゃないの?」とイライラしていました。
そして、ある日、私のほうが不満を爆発させてオットに「泣いたら、もっと対応してよ!」と怒ったところ、マンガのような「お互いが思う正義」がぶつかりました。そして、かぶったのが「ふーみんのために」という結論…
……あれ? お互いのゴールは一緒なのに、なんで真逆なことを主張しているんだ…?
でも、よくよく考えてみたら本当のところ「泣かせる」みたいな問題において、わが子の本音はわかりません(赤ちゃんは喋れないし)。それぞれ大人が想像するしかない。結局は「ぼく、わたしのかんがえる さいきょうのなきたいおう」のぶつかり合いになってしまうので、どうせ自分の意見を言うのなら主語は「私は」「僕は」にして、自分が本当にやめてほしいことを出そう! 「赤ちゃんのために」を掲げて言い出すと、圧倒的正義の側に立ってしまって、俺が死ぬかお前が死ぬかの戦争しかなくなってしまう。
そして、お互いが思う「こうしたほうがいいと思う」理由をオープンにしたところ、お互い「あなたの考えも一理あるな」と思いました。なので、お互い絶対に譲れない一つのことだけ残して歩み寄り、我が家の「泣き対応」を決めることに。それぞれの絶対に譲れないことは、以下の通り。
オット→完璧に泣き止ませることを目指さないで、なるべく余裕を保つ
私→危険を訴える泣き方には対応できるようにしたい
オットは余力を残して育児をしたいと思っていたのですが、大人が対応したほうがよい泣き方までは意識が回っていなかったので、赤ちゃんの健康に関する本を読んだり、私がおすすめした動画などを見て勉強してくれました。
私は、肩の力を抜いたほうがよいことはわかっていたのですが、具体的にどうしたらいいかが曖昧だったので、危険度の低い泣きかたをしていた時には、すかさず美味しい飲み物を入れて深呼吸してみたり、何も考えない虚無タイムを取り入れてみたり(思考が焦ってしまいやすいタイプなので、虚無タイムが私に効くんです…)。
すると数か月後には、お互いに変化が現れました。特に私は、何がなんでも駆けつけて抱っこするスタイルから、安全確認をして家事などをしつつ穏やかに声だけかけて見守れるように…! すごくラクになりました。オットも、ポイントを押さえて対応できるようになったので、「ちょっと…何ぼんやりしてるの? あんな泣きかたしてるじゃん…」と私がイライラすることも減りました。
…それにしても、「赤ちゃんのために〇〇してよ!」と赤ちゃんを主語にすると無限に自分にも相手にも無理難題を言いやすいけど、「私のためにどんな時も絶対に泣かさないで!」「僕のために適当に泣かせておけよ!」と主語を自分にして相手に要求すると「…ちょっとヤバい要求になってる…」って気づきやすいですよね? これは不思議~!
というわけで、今回のハッシュタグはこちら!
<今回の投稿募集>
赤ちゃんが家にいると、問題になりやすい「泣き対応」。どうしていましたか? 夫婦で物理的にこんな風に対応したよ! 夫婦で気持的にこんな風に対応したよ! いろいろあると思います。正解はないからこそ、おすすめの方法を教えていただければ。
#赤ちゃんの泣き対応どうしてる? #ふうふう育児
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