カッコ良さと斬新なシルエットで見る人を驚かせる、世界でもはじめての金属製のペン先を採用した「DRILLOG(ドリログ)」に、日本をはじめ海外の文具ファンからも注目が集まっています。

特殊金属を使った世界ではじめての金属製つけペン
岐阜県美濃市で航空機などの精密部品を手掛ける有限会社シオンは、文具メーカーでもなければ、大手文具メーカーのOEMをつくる会社でもありません。
そんな有限会社シオンが、自社の持つ優れた技術で作られたキャニスターなどの製品を催事に出展したところ、会場となった販売店の担当者から、この技術を使って金属製のつけペンがつくれませんかと提案されたのが、きっかけで開発が始まりました。
しかし、完成までの道のりは長いものでした。本来、金属と水は相性が悪く水性の万年筆インクを留めにくい性質があり、その問題を解決するために約2年の歳月を費やし、試行錯誤の結果完成したのが金属でできたはじめてのペン先「DRILLOG」でした。

ドリルのようなペン先
まるでドリルのような工作機器を思わせる独特のペン先には、有限会社シオンがこれまでに培った精密加工の技術が活かされていています。
特殊加工を施したオリジナルペン先をよく見ると、8本のインク溝が螺旋を描くように先端まで刻まれ、この溝にインクが蓄えられることにより、1回インクボトルにつけるだけでA4紙1枚半が書けるほど、長い筆記を可能にしています。

インクを選ばない強靱なペン先
オリジナルペン先は水洗いだけですぐにきれいになる「洗い易さ」も特徴で、別のインクに変えたい時にとても便利です。
また、ラメが入ったシーマリングインクや粘度の高いインクなど、万年筆では使いづらいインクとの相性もよく、「DRILLOG」のオリジナルペン先はインクを選ばない筆記具の万能選手といえます。

字幅は0.5mmと0.8mmから選べます
さて、気になる書き心地はというと、外見から伝わる金属の硬いイメージはなく、思う以上に軽くなめらかな筆記を可能にしています。
万年筆とは異なり均一な字幅で書けるのも特徴で、細字(0.5mm)は画数の多い漢字も難なくこなし、中字(0.8mm)なら大きな文字をストレスなく書くことができます。
「DOLLIOG」ではあえて、万年筆のようなF(細字)やM(中字)ではなく、ズバリ実数で字幅の表記を行っています。ミクロン単位での加工ができる有限会社シオンの技術があるからこその自信の表れです。
ラインナップ
「DRILLOG」のラインナップには、デザインや素材の異なる軸のバリエーションも豊富です。
・DRILLOG Classical material sus(クラシカルマテリアルステンレス)

シンプルなストレートボディのクラシカルマテリアル
ステンレス製のストレートでシンプルな美しさを誇る「クラシカル」は、シリーズの中でももっとも重い63g。ペンが重いと疲れると思われがちですが、筆圧をかけずに筆記ができるために長い時間書くコトに費やすに人には向くモデルです。
・DRILLOG Classical spiral(クラシカルスパイラル)

六角形にひねりを加えたエッジの効いたスパイラル
子どもの頃に鉛筆を使ってきた私たちに、馴染みのある六角形をさらに分割化して特殊な12角形にひねりを加えた「クラシカルスパイラル」は、独特の造形美を感じさせるエッジの効いたボディに、指先がすっとフィットする実用性と美しいシルエットを兼ね備えているモデルです。
・DRILLOG Classical mirage(クラシカルミラージュ)

ユニークさグリップの良さが魅力のミラージュ
むき出しのバイクのエンジンのようなユニークなデザインが特徴の「クラシカルミラージュ」は、風景が幾重にも重なる蜃気楼(ミラージュ)をイメージして生まれたモデルです。
シリーズの中では最も太い軸ですが、等間隔で並ぶ放熱板のような深い溝は、指先が滑りにくくペン軸をしっかりとホールドする機能にもひと役かっていて、デザインと機能の融合したモデルです。
・Twinsモデル
「DRILLOG」にはClassicalの他に双子をイメージしたtwinsという、1本で2本分の機能を持つモデルがあります。

双子をイメージしたDRILLOG

オリジナルペン先が両端に装着可能な構造
構造は至ってシンプル。ペンの両端がキャップになっていて、中央の軸に2つのオリジナルペン先を装着させることで、1本で2本分の機能を持たせたモデルがTwinsです。
また、取り外したキャップはもう片方に連結することも可能です。このキャップを外したり連結させたりすることで、自分の好みのバランスを調整できるのは「クラシカル」にはない機能です。
現在、ペン先の種類は0.5mmと0.8mmの2種類、その両方を1本にして持ち歩くことができる利便性は欲張りな筆記具ファンにたまらない特徴といえます。
展示会レポート

はじめて「DOLLIOG」に触れたユーザーの声
2021年6月、「DORILLOG」が出展された、東京銀座蔦屋書店で開催された展示会に取材させていただいて驚いたのは、開場と同時に買いに買い求めに来たのは女性で、そのあとに来られたのもまた女性で、「DRILLOG」をカッコよくて魅力的な筆記具と評価しているのも圧倒的に女性だったこと。少し意外に感じましたが、近年ガラスペンの人気が高まる中で、ガラスペンではない新しいつけペンに、興味を示している女性が多いということなのかもしれません。
偶然、会場に訪れはじめて試筆した女性は、つけペンなのにつけペンとは思えない書き心地と、これまでにない新しい筆記体験ができる「DORILLOG」とのファーストコンタクトに感動した様子でした。
まとめ
現在、文房具の世界では色とりどりのカラーインクがブームとなっていて、それに歩調を合わせるようにガラスペンの需要も過去にないほど高まっています。そんな中で新しい金属製のつけペンとして登場したのが有限会社シオンの「DOLLIOG」です。
ガラスペンと異なり金属製のペン先は、先端から落としたりしない限り、少しの振動で破損することはなく、そういった安心感が、ガラスペンに憧れながらも不安をおぼえるユーザーに希望を持たせる筆記具になったのかもしれません。
新しいカラーバリエーションやオプションなど、これからまだまだ展開を見せる「DOLLIOG」に文房具ファンは目が離せそうもありません。
メーカー 有限会社シオン
製品 金属ペン
〇オリジナルペン先
・0.5mm
・0.8mm
価格16,280円(消費税込み)
〇軸
・クラシカルマテリアルステンレス
・クラシカルミラージュ
・クラシカルスパイラル
・ツインズマテリアルステンレス
・ツインズスパイラル(A/B)
・ツインズミラージュ(A/B)
Aは中央軸にカラーアルマイトを、キャップにはブラックアルマイトを使用しています。
Bは中央軸にブラックアルマイトを、キャップにはカラーアルマイトを使用しています。
価格1,4080円から