子宮系スピリチュアルに夢中な母。ネグレクトされている子どもたちに心配の声

文=山田ノジル
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S子:さすがにブログには書いていませんでしたが、夜中に仲間と神社へ行き、全裸で踊ったりもしているようです。タントリックヒーリング※にのめり込んだ時期もありましたね。目を疑ったのは、子宮頸がんの人にマスターベーションをするようにアドバイスしたというブログです。医療行為とまでは言えないでしょうけど、まるでその行為で改善するみたいなニュアンスにヒヤヒヤさせられます。子どもたちは今、高校生。多感な時期の子どもがいるのに、顔出しで頻繁に下着姿やセミヌードを投稿し、ママ友との会話でもマスターベーションの話ばかり。ちょっと控えたら……と言おうものなら、そのメッセージをSNSで晒され、ブログに悪口を書かれるんです。

 そんな調子なので、今では地元のママ友たちは距離を置き、本人に直接否定的なことを言う人はいなくなりました。すっかりママ友、パパ友から一歩引かれている存在になってしまっています。小学校時代も「あの保護者はヤバい」と学校側が認識していて、何か保護者が関わる係があっても、彼女には声がかからないように気をつけていたなる噂もあります。子どもは小中高とそんな母親を見つづけてすっかり病んでしまったようで、中学時代は同級生に「自分の母親は化け物になった」と苦しい胸の内を同級生に打ち明けていたようです。

 ※タントリックヒーリング=手かざしで子宮と性エネルギーを活性化し、オーガズムに導くというヒーリングのこと。

 子どもがそうやって悩む一方、エナエルさんは真逆の発信を行い、ブログやSNSでキラキラ温かな「幸せ家族」をアピール。「家族が積極的に家事をやってくれる! 幸せ!」「子どもが作ってくれたお弁当¤」などの投稿は、「これが子宮を大切にする暮らしの結果だ」という演出でしょう。

S子:「子どもが作ったお弁当」は事実ですが、それは彼女が家事を放棄しているから仕方なしにやっているだけなんです。小学校、中学校と車での送迎が必要なときは、エナエル家の子どもたちは親が世話してくれないので当たり前のように他の家庭に便乗していましたね。周りから同情され、きっと子どもらは引け目を感じていたでしょう。学食やファストフードに行くお金も持たされていないようで、最近は一生懸命アルバイトをしているようです。

 小さい頃はおばあちゃんが面倒を見てあげていたようですが、預け過ぎが原因でもめ事になり、すっかり交流がなくなっていると聞いています。それなのに、ブログでは「育児とは」と語る始末。それを見たママ友たちは「育児してないよね……」と絶句していました。そして、あれだけ女を味わい尽くして生きれば家族も幸せになると主張していたのに、夫とは別居となったようです。

 エナエルさんの発信を見ると、「女であることを全肯定すれば、子どもも夫も必ず幸せになる!」というようなことが強調されていますが、周囲から見た実情はその真逆。そしてエナエルさんが主張する子宮の重要性。生殖器周りからホリスティックな幸福を得ると謳う民間療法には、タイのカルチネイザンやインドのタントラマッサージなどがありますが、彼女の活動を近くで見つづけてきたママ友連曰く「もともと性に興味があるかどうかは疑わしく、全面的に子宮委員長はる※※の受け売りだ」と推測します。

 ※※現在は「さやりんご」と改名し、壱岐島よりスピリチュアル活動発信しているブロガー。「子宮委員長はる」を名乗っていた当時は「子宮メソッド」なる自己啓発を発信し、子宮にスポットを当てるスピリチュアルで人気を集めていた。「子宮系女子」と呼ばれる集団の、中心的人物。

S子:現在、壱岐島にマイ神社を作ったり「億女セミナー」等で活動している「さやりんご」さんが、過去に子宮委員長はるを名乗っていた初期に、私がFacebookでつながっていたことから、彼女が興味を持ってしまったんですよね。正直、そこにも責任を感じています。そこからエナエルを名乗り出し、地味だった麻の自然派服から、急に花柄などのキラキラ&フリフリ路線へ。

 それ以前も怪しいセミナーに心酔していましたが、当時から「レジ打ちなんてバカらしくてできない」と地道に働くことを否定していましたので、子宮委員長が発信していた「楽して稼げる! 女は子宮の要求に従って好きなように生きれば、ザックザク儲かる!」という思想が、自分の欲求にドはまりしたのでしょう。私より古くから付き合いのあったママ友たちからは「彼女はとにかくお金お金、基本的に冷たい人。注目されたい人だし、もともとその素養はあったので、なるべくしてなった」という声も上がっています。

 エナエルさんが子宮系スピリチュアル活動にのめりこんでから、一度だけランチ会をしたというS子さん。しかしそれは「友だちとランチ¤」という写真をFacebookに載せるためだけの、寂しいものとなり、この先意見を聞き入れてくれることはないと実感したそう。

S子:子どもたちは今、本腰を入れて進学を考えていかなくてはならない学年です。しかしエナエル家の長女ちゃんは「お金がないから」と進学先が限られている状況だと聞いています。経済的に苦しく進学が制限される家庭は、世にいくらでもあるでしょう。しかし親がおかしな活動にお金をつぎ込んでそうなるというのが理不尽ですよね。家庭内でこんな目に遭い、しかし部外者にはどうにもできない。歯がゆくて仕方がありません。最近では、母親がどこにいるのか所在不明なので、毎日エナエルのFacebookアカウントをチェックしているんですって。思春期の娘さんが、毎日毎日母親の下着姿やコスプレ、セックストークを見ていると思うと、ひたすらに気の毒です。

 発信内容の突飛さをいったん横におけば「仕事や趣味に夢中で、自己中心的。家庭・子どもを顧みない親」というのは、どの世界にも一定数いるでしょう。しかし今回のケースは、「女性、ひいては家族皆の幸せのため」を目標とするスピリチュアルを謳っているので、現実との落差が悲しすぎます。そして子どもの傷も、より深くなりそう。このパターンはエナエルさんだけでなく、巷には星の数。家族関係やパートナーシップ、親子の絆、子どものための健康法etc.一見よさそうな活動に見えるためツッコまれにくいのですが、詳細を調べるとまったく家族のためにならないようなめちゃくちゃな理論や行為がはびこっているものも少なくありません。エナエルさんの出来事は、それらのほんの一部なのです。

 そして「楽して稼げて注目される」というスピビジネスを真に受け、地域の見世物状態になってしまっているエナエルさんに、引き返す道はあるのか。ちなみにこの出来事の発端となった子宮系女子の中心人物はすでに、子宮中心の発信から手を引き、「ママビジネス」などの平凡路線へと迷走中。残された信者には、今回のエナエルさんを含め「子宮路線」を維持している人もたくさんいますが、結局こうした無残な実情が露呈してきています。子宮系女子たちはこれからどこへ行くのか。こうした「周囲の声」は、次々と集まりつつあります。

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