牡蠣のバター醤油ソテーのせ菜の花ごはん弁当

文=おりえ
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 大好きな料理をTwitterで公開していたら、いつのまにか注目が集まって、レシピ本『新装版 美味しいにきまってる』(KADOKAWA)を出版した、おりえさん。そんなおりえさんが最近とても興味を持っているのがお弁当作りです。現在1歳の娘さんがお弁当を持って出かけるようになるまでに練習し、上達しておきたいそう。家庭にある調味料で気楽に作れるのに、それでいて蓋を開けた時のワクワクする気持ちだけはしっかり持てるような、そんなお弁当を目指しているとのこと。今回は、春らしい菜の花ごはんに、牡蠣をどーんと乗せたお弁当です。

第13回:牡蠣のバター醤油ソテーのせ菜の花ごはん弁当

材料(1人分)と作り方

<牡蠣のバター醤油ソテー>

・牡蠣……150g
 (下拵え)
  ・塩……少々
  ・お酒(ワインか日本酒)……適量
・片栗粉……適量
・バター……20g
・ベーコン……1枚
・醤油……小さじ2
・胡椒……適量

① ボウルに入れた牡蠣に塩少々を振り、軽くもみ洗いをしてから、流水を直接あてないよう貝柱をつまんでそっと泳がせるように洗う。水気を切ってボウルに入れ、お酒(ワインか日本酒)を加えたら、冷蔵庫に入れて15分以上浸す。浸したお酒は後で使うのでとっておく。
② ①の牡蠣をキッチンペーパーで拭き、片栗粉をまぶす。
③ フライパンにバター20gを入れて中火にかけ、②を並べて片面を1分半ほど焼く。焼き色がついたら裏返し、①でとっておいた日本酒を加えて蓋をし、1分半ほど加熱する。蓋をとってベーコンをサッと焼き、醤油小さじ2と胡椒を加えて全体に絡める。 
④ 菜の花ごはんの上にベーコン、牡蠣の順にのせる。

【下処理】

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▲友達が教えてくれた牡蠣の下処理方法。お酒はちょっといいものを使うとよいそうです。

【焼き方】

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<菜の花ごはん>

・ごはん……1膳分
・菜の花……適量
  (茹でる用)
  ・塩……小さじ1
・塩……少々

① 鍋に湯を沸かして塩小さじ1を加え、菜の花の茎のほうから湯につけて、20〜30秒たったら葉のほうまで入れて手を離す。
② キッチンペーパーで①の水気を取り、ざく切りにする。
③ ボウルにごはん1膳分を入れ、塩ひとつまみ、②を加えて混ぜ合わせる。

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▲私は当日朝に菜の花を茹でましたが、前日までにやっておいてもOKです。

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調理し慣れない食材の「最適解」を探すこと

 今回のメインは、牡蠣のバター醤油ソテーです。以前、夫と一緒に食べに行って美味しかった「かつれつ四谷たけだ」のカキバター焼き定食をヒントにレシピを考え、菜の花ごはんの上にのせてお弁当にしました。

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 調理のポイントは、牡蠣の下ごしらえにお酒を使うこと、そのお酒で蒸し焼きにすること、ごはんに菜の花を混ぜ込んで香りと食感をプラスすることです。夫からは「牡蠣はふっくらと香ばしく、ベーコンの満足感もあり、菜の花のシャキシャキした食感がいいアクセントになっていて美味しかった。疲れがとれたよ」と嬉しい感想が聞けました。

 じつは以前、私は牡蠣のクセの強いところが少し苦手でした。でも築地の(現在は豊洲に移転)「やじ満」の牡蠣ラーメンの旨味たっぷりのスープに心を撃ち抜かれてからというもの、すっかり虜になってしまいました。

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 しかし、調理し慣れていない食材を扱うのはいつだって少し億劫なもので、下ごしらえや料理の仕方を一から調べたり、なかなか骨の折れる作業が待っています。作り慣れている食材のように調べたり考えたりせずともささっと、とはいかないことも多いものです。

 例えばソーセージひとつとっても、最初の頃は、フライパンで焼くのか、熱湯で茹でるのか、レンジで加熱するのか、オーブンで焼くのか……いろいろ試して自分の好みに合う調理法を探しました。ちなみに、私はソーセージはフライパンで焼くのをやめ、ホイルにのっけてオーブンに任せています。そうして自分なりの最適解を見つけると失敗がなくなり、時間に余裕が出来て食卓に一品増やす余裕がうまれます。また、他の食材や料理にも応用がきくので、自分なりの正解を1つ見つけると3にも5にも膨らむように思います。

 牡蠣も初めは片栗粉で洗ってみたり、50度のお湯で洗ってみたり(大根おろしは大変すぎるので使いませんでした)と試行錯誤。そんな折に友達から「牡蠣をなるべく傷付けないで洗うのがコツだよ」と教わり、その通りにやってみたら今までとは比べ物にならないくらいぷっくりとした仕上がりになりました。

 最近では牡蠣料理にも慣れて、キムチ鍋には必ず入れています(下処理に使ったお酒ごと煮込むと最高!)。それ以外にも、牡蠣の柚子釜蒸しも酒飲みにはたまらないメニュー。柚子の中身をくり抜き、大根おろしと薄切りにしたレンコンを入れ、牡蠣を日本酒(辛口)ごと加えて蓋をして蒸し器に入れ、強火で8分蒸せば出来上がり。あとは醤油を垂らせば、柚子の香りが牡蠣に移って冬を愛でる逸品になります。

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おりえさんからのお知らせ

 文章とレシピを寄稿させていただきました『生き抜くためのごはんの作り方』(河出書房新社刊) が発売されました!!! 本屋さんやネット書店でお買い求めいただけます。 文章メインのお仕事は初めてで、かなり気負っていますが、 濃い内容となっておりますので、ぜひお手にとってみてください。

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