娘と母の本音トーク:養子であることを本人に伝える「真実告知」は小さな頃に始めるべき⁉︎

文=うさぎママ
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GettyImagesより

 特別養子縁組によって親子になった著者夫婦と娘のアンちゃん。幼い頃から養子であることを伝える「真実告知」をし、確かな親子関係を築きました。大人となった娘と母は友達のような関係になり、これまでのいろいろを本音で振り返ることができるようになって……。

第4章 花ざかりのアン

 ある夜、きっと夜更かしをしているにちがいない娘・アンに電話しました。早寝早起きの習慣は、魔の中二病にかかったときに、ぶっ飛んでしまったようです。親のしつけなんて、本当にはかないものです。

私「いきなりでなんだけど、真実告知についてどう思ってる?」
娘「えっ……お母さん……もしかしてガンなの?」
私「ちがうよ〜。相変わらず、天然なんだから。アンには小さい頃から養子だってことを伝えてきたけど、それはどうだったのかなと思って。子どもの立場からしたら、かくしておいてほしかった?」
娘「私は、話してもらってよかった! というか、うちでは当たり前だったし」
私「でも、知らないほうがのびのびできたとかある? あ、アンはかなりのびのびしてたけど、そう見えただけで、ものすごく屈折してたとかさあ。ひょっとして、眠るときにお布団の端をかんで泣いてたことある?」
娘「あはは〜。ないない、それはないよ〜(笑)」
私「そっとしておいても、まわりの何気ない言葉で“おかしいな”って感じることはあると思ったし、お母さんはアンが養子であることを、そうやって遠まわしに知らせたくなかったの。お母さんは子どものころ、おばあちゃんが二度目のお母さんであることを、近所の人たちにいろいろ言われて気づいて悲しかったし」
娘「お母さんとちがって、私はなかなか気づかなかったと思うよ。よく進学のときに戸籍を見て悩むなんて言うけど、全然わからなかったかも」
私「でも、かくしていたら、“結婚しようと決めた人が兄弟だった……!”なんて、まるでドラマみたいな修羅場があるかもよ」
娘「そうだね〜。高校のときの彼の名字が、私の旧姓と同じだとわかったときは、ちょっとドキドキしたよね。ってか、すごくあせったよ」

 そのときのアンの想像力は絶大で、あらぬ疑いをかけられた彼のお父さんとお母さんには申し訳なかったです。

娘「でも大きくなるまで、養子であることをかくされたら、かわいそうだよね。中学生や高校生とかで知ったら最悪。養子であること自体よりも、家族なのにずっと嘘をつかれてたってことが嫌だと思う。ドラマなんかであるよね。両親から深刻そうに”じつはお前は……”って打ち明けられるシーン。反抗期だったら、非行に走るかも。元通りに親を信頼するまでに、何か月も何年もかかるかもしれない。それにね、親のほうも真実をかくして暮らすのは大変じゃない? 養子って言葉を聞くたび、ビクビクするんじゃない?」
私「確かにそうだね。アンに初めて養子であることを話したあと、お母さんは本当にホッとしたなあ。第一関門をクリアしたと思って、うれしかったしね。お母さんはあんまり気がきかないから、かくし続けるのは無理だったと思う」
娘「小さな頃から養子だと話してくれたから、疑問が湧いてきたときにひとりで悩むことなく、なんでも聞けたところもよかったよ。もしもかくされていたら、養子だと薄々わかっても、お母さんやお父さんに遠慮して何も聞けなかったもんね。養子縁組した親御さんたちには、“早くから話してあげて”って伝えたいな」

 3歳の初告知に始まり、折にふれて養子であることについては話してきたので、アンにとってはごく普通のことになっていたようです。成長してから急に「じつは……」と告白されるよりもずっといい、というのがアンの意見でした。

次回更新は4月4日(月)です。

特別養子縁組について

 特別養子縁組は、子どもの福祉のために(親のためではなく)、子どもが実親(生みの親)との法的な親子関係を解消し、養親(育ての親)と実子に等しい親子関係を結ぶ制度です(※)。そんな特別養子縁組制度が成立した翌年の1988年、うさぎママ夫妻は児童相談所の仲介で0歳の娘・アンちゃんと出会い、親子になりました。

厚生労働省 特別養子縁組制度について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000169158.html

※この連載は、書籍『産めないから、もらっちゃった!』(2012年、絶版)の改定版を公開するものです。

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