大好きな料理をTwitterで公開していたら、いつのまにか注目が集まって、レシピ本『新装版 美味しいにきまってる』(KADOKAWA)を出版した、おりえさん。そんなおりえさんが最近とても興味を持っているのがお弁当作りです。現在1歳の娘さんがお弁当を持って出かけるようになるまでに練習し、上達しておきたいそう。家庭にある調味料で気楽に作れるのに、それでいて蓋を開けた時のワクワクする気持ちだけはしっかり持てるような、そんなお弁当を目指しているとのこと。今回は、春らしい菜の花のカスクートです。
最終回:お花見やピクニックにもぴったり! 菜の花のカスクート
材料(1人分)と作り方
<菜の花のカスクート>
・バゲット……1/2本
・菜の花……3〜4本
・玉ねぎ……10g
・カマンベールチーズ……1/2個
・バター……適量
・オリーブオイル……大さじ1
・岩塩……適量
<付け合わせとデザート>
・じゃがバタークリームポタージュ(市販)
・とちおとめ
① バケットは破れないよう切れ目を入れてから、200℃のオーブンで3分焼き、内側にバターを塗る。トースターを使ってもOK。
② 玉ねぎは薄切りにして、塩少々(分量外)を加えた水に2〜3分浸し、キッチンペーパーで水気をとる。新玉ねぎの場合は水にさらさなくてもOK。
③ カマンベールチーズ1/2個は、4〜5等分する。
④ バゲットを焼いている間に、菜の花をバケットの長さに合わせて切る(だいたい2〜3等分)。アルミホイルに菜の花を並べ、オリーブオイルを回しかけて、手でなじませる。岩塩をパラパラと少量振って、180℃のオーブンで5分焼く。
⑤ バケットに、下から玉ねぎ、菜の花、ハム、カマンベールの順に挟む。箸を使うとやりやすい。アルミホイルで包み、マスキングテープでとめて、開きやすい場所がわかるようシールを目印として貼る。
⑥ 市販のスープを温めて保温性の高い水筒に入れ、とちおとめを洗って容れ物に入れる。
美味しいバゲットサンドを追い求めて
待ちに待った春がやってきました。4月生まれということもあり、春が一番好きな季節です。今回紹介するカスクートがお弁当向きなのは、出来立てよりも、少し時間が経ってカマンベールチーズが柔らかくなり、パンになじんだ頃が一番美味しいから。
ハム、チーズ、バゲットと揃いやすい材料がメインなので飽きが来ず、もう何度も作っています。菜の花のほろ苦さが大人な味に仕上げてくれるので、ワインやビールとよく合うんです。これからお花見やピクニックへ行くときに作っていただけたら嬉しいなぁと思います。今回は市販のスープを小さな水筒に入れ、デザートにはイチゴも付けてみました。
バゲットのサンドイッチは、アルミ箔に包んでマスキングテープでとめ、開きやすい側に目印としてシールを貼っています。
その上からはビニール生地で作られているフードラップでくるんでいます。このフードラップは以前フライングタイガーで購入したもので、嵩張らない上に水洗いも出来て衛生的なところが便利で気に入っています(残念ながら今は売っていないようですが、再販しないかなぁ……)。

▲サンドイッチはこんな風にくるくる〜と巻いてよく持たせています。
中高生の頃、母はときどきサンドイッチのお弁当を持たせてくれました。お弁当というと9割くらいの確率で白米とおかずだったのもあって、パンの日はテンションが上がり、いつも以上にお昼休みまでウキウキしたのを覚えています。
母はいつもお弁当をかわいい海外のマルシェ袋に入れたり、レトロなシールを貼ったりするお茶目なところのある人でした。私がレトロでかわいい雑貨が好きなのは、そんな母の影響です。東京の三鷹にある山田文具店という雑貨のセレクトショップに行くと海外の様々なマルシェ袋が並んでいるので、この袋にはサンドイッチ、こっちの袋にはお菓子を入れようなどと妄想しながらついついあれこれ買ってしまいます。
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バゲットのサンドイッチって、シンプルだからこそ極めてみたくなるところがあって、最近はハムとバゲットを色々な店で買っては試しています。有名店だとDONQやPAULなどで買い求めることが多いですが、電車で出かけた先でパン屋さんを見付けたらとりあえず飛び込んでバゲットを買っています。バゲットは、あっさりしているか甘いか、はたまた生地がふわふわかみっちりしているか店によってかなり違うので好みを模索中です。でもバターやマーガリン、ハムには、すでにいくつかのお気に入りがあるのでご紹介しますね。
バターは、三重の物産館で出会った「大内山手造りバター」。クリーミーかつ濃厚で美味しいので、友達にもプレゼントしています。親友からも「業務スーパーの食パンが、このバターを塗るとホテルのパンみたいになる!」と大好評でした。私が今まで食べた中で暫定1位のバターです。
マーガリンは、志津屋の「SIZUYA特製カルネマーガリン」がお気に入り。マーガリンは普段使わないのですが、これは特別。しっかりした深い味わいです。志津屋を代表する「カルネ」は、ドイツ風のフランスパンに、このマーガリンとハム、玉ねぎ、ペッパーが挟まれています。このカルネ、すごくシンプルなのに驚くほど美味しく、関西方面へ旅行する時は帰りに5、6個は必ず買って帰ります。すっかりファンです。私がサンドイッチに玉ねぎを入れることが多いのは、カルネが元です。
ハムは、スーパーで買えるものなら「芳味」のロースハムが好きで、カスクートにもよく使っています。年末年始などの特別なときには、札幌の「大金」のハムを買っています。北海道産の豚ロースを低温熟成させていて、しっとりとしていて美味しいのでおすすめです。夫も、ここのハムが一番美味しいと言っていました。ぜひ食べてみてください。

▲以前、デパートの催事で「これを食べたら他を食べられませんよ」と勧められた、シンタマ入り大金ハムの希少部位食べ比べパック。
このハムは特にマスタードがよく合う。お歳暮で贈るとすごく喜ばれます…。
…というわけで、この連載は今回でいったん最終回となります。娘がお弁当を持って出かけるその日まで腕を磨くきっかけ作りをしてくださったwezzy編集部と、担当してくださった大西さんには感謝してもしきれません。
連載が終わってもお弁当作りの試行錯誤は続くので、いつかそれらを発表できる機会があればいいなと考えています。
どうもありがとうございました!
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