横浜「シルク博物館」へ行ってきた! 虫の働きを学んだら「家畜」を理解できるかな?

文=ムシモアゼルギリコ
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シルク博物館では「機織り体験」ができる(予約は不要。対象は小学生以上)。マユからとれる絹糸で、布を作る。娘よ、本来はこれがカイコを育てる最大の目的だったのですよ~。

虫の「完全変態」を理解してもらおうと幾度かカイコを飼育してみたものの、すべてを「カワイイ」で片付ける娘。興味の持ち方は人それぞれだけれど、そろそろ「家畜」って概念も理解してくれると嬉しいな~と思ってしまう今日この頃です。そこで今回は、横浜の「シルク博物館」を訪れてみました。「役立つ虫の姿」を学んでもらおうという、親のエゴ丸出しの、お出かけレポートです。

何でも”カワイイ”で片付ける!?

「今どきの若い女は、何でもかんでも”カワイイ”で片付ける」

 そんなぼやきを中年の口から聞いたのは、20年以上前、大学時代のアルバイト先だったでしょうか。今ならその気持が、少し……いや、大分わかる。語彙力の問題が大きいとはいえ、どんな生き物にも「カワイイ~」というリアクションばかりの小1の娘。え~、もっとほかの感想とか疑問はないのかな(「こわい」はときどきあるか)。

 生き物に親しみを持ち、慈しんでくれるだけでも十分かと思う一方で、「カワイイから食べちゃダメ」と頑なに言われると、小学生になったことだし、そろそろ社会のしくみを理解してほしいなんて思ってしまう。私たちの社会には、人の暮らしを助けてくれる「家畜」というものがありましてねえ……。しかしいつものことながら、口で説明してもピンとこない様子の娘。そこでカイコの様々な姿を展示している、横浜のシルク博物館へ出かけてみました。

横浜港近くにある「シルク博物館」

 シルク博物館とはその名のとおり、「絹(シルク)」をテーマにした展示を行っている施設です。目の前に広がる横浜港は安政6年に開港して以来、生糸の貿易により発展してきた港で、日本国内のシルクロード終着点。シルクゆかりの地にたたずむエモさは、さすが異国情緒漂う横浜ならではです。

 館内1階の「ふしぎファーム」では、絹糸を作り出す虫であるカイコについてを多角的に学ぶことができ、展示だけでなく子ども向けの勉強会や、実際に糸や布を作る体験も用意されています。2階の「シルクのあゆみ」は美術館のような格調高い雰囲気。世界の民族衣装や、古代日本の衣装を復元したものがズラリと並びます(※1)。

※1 特別展開催中は、展示の内容が変わることもある。

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シルク博物館は、横浜港を見渡せる立地にあるシルクセンターの2階。イギリスの総合商社の跡地に建てられたというシルクセンターは、昭和の時代には在横浜中華民国総領事館や、横浜生糸取引所が入居していた由緒正しき場所。入口へ上がる外階段から、海と船が見える。

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博物館の入り口看板では、2012年に誕生したキャラクター「まゆるん」がお出迎え。まゆるんは横浜市内の小学生が命名したキャラだとのことですが、どことなくネーミングがユーチューバーっぽいと思うのは私だけ?

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