『アイドルについて葛藤しながら考えてみた――ジェンダー/パーソナリティー/〈推し〉』(青弓社)の刊行を記念して、編著者の香月孝史さん、上岡磨奈さん、中村香住さんと、著者のひとりである筒井晴香さんによるオンライントークイベント「『推し』について葛藤しながら考えてみた」のアーカイブ動画販売を開始いたします。
二部構成で行った本イベントは、最初に制作裏話として『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』が作られるまでの経緯や、制作過程でどのような議論が行われていたのかを編著者3名にお話しいただきました(2020年に行われた編著者3名による鼎談動画はこちらよりご覧いただけます)。
第二部では、本書に収録されている「『推す』ことの倫理を考えるために」の筆者・筒井さんも登壇いただき、「推す」ことが持つ二つの側面(「家父長制的性愛規範の撹乱」と「家父長制的性愛規範の保守/資本主義、新自由主義」)をもとに、イベント参加者の皆さんと「推す」ことの可能性や問題性についてさまざまな角度からお話をいただきました。きっと「『推し』という言葉だけでこんなにたくさんの論点が!」と驚かれるはずです。
なお本アーカイブは、2022年9月30日までの限定公開です。『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』とともに、アイドルについて、「推し」について考えを深めるきっかけにしていただけますと幸いです。

香月孝史
1980年、東京都生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。ポピュラー文化を中心にライティング・批評を手がける。著書に『乃木坂46のドラマトゥルギー』『「アイドル」の読み方』(ともに青弓社)、共著に『社会学用語図鑑』(プレジデント社)など。

上岡磨奈
1982年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程。専攻は文化社会学、カルチュラルスタディーズ。共著に『「趣味に生きる」の文化論』(ナカニシヤ出版)、論文に「アイドル音楽の実践と強制的異性愛」(「ポピュラー音楽研究」第25号)、「アイドル文化における「チェキ」」(「哲学」第147号)など。

中村香住
慶應義塾大学文学部・慶應義塾大学大学院社会学研究科非常勤講師。修士(社会学)。専門はジェンダー・セクシュアリティの社会学。 現在は第三波フェミニズムの観点からメイドカフェにおける女性の労働経験について研究をおこなうかたわら、レズビアン・クワロマンティック当事者として“恋愛至上主義にノれないセクシュアルマイノリティ”の居場所づくりにも取り組む。共著書に『私たちの「働く姫、戦う少女」』(堀之内出版)、『ふれる社会学』(北樹出版)、『「百合映画」完全ガイド』(星海社)、『ガールズ・メディア・スタディーズ』(北樹出版)。共編著書に『アイドルについて葛藤しながら考えてみた――ジェンダー/パーソナリティ/〈推し〉』(青弓社)。 Twitter:https://twitter.com/rero70

筒井晴香
1983年、新潟県生まれ。東京大学生産技術研究所機械・生体系部門中野公彦研究室特任研究員、玉川大学教育学部非常勤講師。専攻は哲学、応用倫理学、ジェンダー研究。共著に『性』(ナカニシヤ出版)、『よくわかるジェンダー・スタディーズ』(ミネルヴァ書房)、論文に「孤独にあること、痛くあること」(「ユリイカ」2020年9月号)、「「推す」という隘路とその倫理」(「ユリイカ」2019年11月臨時増刊号)など。