『アメトーーク!』『トークイーンズ』男性芸人にとっての美容とは ぼちぼちテレビ日記

文=西森路代
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8月23日

 『ロンドンハーツ』(テレビ朝日)は「キモいけどおもしろい芸人GP」。ななまがり森下、カカロニ栗谷、マユリカ中谷と、3名の芸人がゲスト。

 エピソードとしては「かわいい女性芸人が近くにいると、自分の武勇伝を男芸人に話す」とか、「女優の方と連絡を交換して4人で食事にいったとき、顔にほくろが多いよねと言う」などというものが挙げられていたが、自分が関わっていたらもちろん気持ち悪いと思うエピソードには違いないが、別に悪い人ってわけでもなさそうだ。

 たぶん、女性を女性と意識しすぎたり、違う生き物と崇めすぎて、接し方がわからないのだろう。そう思うと、気持ち悪いというよりも、力を入れすぎなのかもしれない。もっと気になる女性を同じ人として見れば多少はそんなことがないだろうにと思えてしまった。

8月23日

 『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ)には、かまいたちの濱家が出演していた。MCの明石家さんまは冒頭で、濱家が唇に手をあてたかっこいい宣材写真に「お笑い芸人のスチール写真で、なんなん?これ」と突っ込みを入れていた。

 この宣材写真は、かつてGYAOの番組『かまいちょぱ』番組企画で撮られたもので、そのときに濱家自身が「懐の広い雑誌関係の方々、表紙に呼んでください」とツイートしていた。その後、実際にananで裏表紙に抜擢されたのは、過去のこの日記にも書いた通り

 濱家は「おもしろいと思って」と言っていたが、やっぱり、まだ明石家さんま世代の芸人からは「芸人がこんなかっこつけて」ととられるのだなと思った。

 『ロンドンハーツ』は、「M-1ファイナリストってどんな人?キャラ掘りドッキリSP」(この日は通常放送とSP放送が同日に流されていた)。興味深かったのは、インディアンスの田淵に、納言の薄幸がかけたドッキリ。幸は普段から田淵を好きと公言しているが、最近は田淵がそのことに胡坐をかいているので、彼氏ができてもう会えないと告げるというもの。

 幸と田淵はデートをするのだが、そのときの田淵の対応がすごく自然で、たぶん、女性で田淵の態度が嫌という人はほとんどいないのではないかという感じだった。

 気持ち悪い人は、女性を意識しすぎているのではないかとさっき書いたが、田淵の場合は、女性と変に意識していないからこそ、不快に思われることがないし、幸のように、「自分をもっと意識してほしい」と感じるのだろう。

 ただ、それが別にいいというわけではなくて、そうしたほうが、コミュニケーションが変なことにならないというだけのことではあると思う。

 しかし、後日、田淵が週刊誌に別の女性との「お泊り」が報じられていたのを知った。ある種の余裕があのコミュニケーションを生むのかもしれないと思うと、人間のコミュニケーションってなんなんだろうと思ってしまった。

8月24日

 『あちこちオードリー』(テレビ東京)はチュートリアルがゲスト。この日のトークも面白かったのだが、若林が春日のことを「仕事っぷりを見ていただくとわかるとおもうんですけど、ものすごいトップダウンの言いなりの男」で「日本教育の最高傑作」と言っていたことだった。

 特に春日がどうこういうのではなく、若林さんが、偉い人の言うことをそのまま聞く人のことを日本教育が作っていると思っていて、それをさらっと面白く言うことに、ハっとしてしまった。

 真面目に受けてしまって申し訳ないが、本当に日本の教育は、言いなりになる子を育てようとしていると思っているからこそ、そのシニカルさに笑ってしまうのだ。

8月31日

 『クローズアップ現代』(NHK)は「ジャニーズそしてBTS アイドル新潮流 舞台裏を追う」。冒頭のナレーションで「ジャニーズ一強が崩れ、群雄割拠の時代を迎えたボーイズグループ」と言っていたのには驚いた。

 この枠でアイドルを捉えるということで注目は集まっていたが、内容としては、もっと深められるのではないかと思ったところもあったし、コメンテーターが、男性アイドルを普段から見ている人ではなく、女性アイドルに詳しい人であったのも気になった。

 だいたい、私がツイッターなどで「アイドル」について語って、それがたまたま多くリツイートされると、女性アイドルのこととしてリプが来ることもある。男性アイドルについての「語り」が確実にあるのに、そこに目を向けられてないのだなと思う。

9月1日

 『アメトーーク!』(テレビ朝日)は「脱毛しました芸人」。ゲストはアンタッチャブルのふたり、サバンナの高橋茂雄、麒麟の川島明、おぎやはぎの小木博明、平成ノブシコブシの吉村崇。番組でも触れていたが、意外に年齢層が高めの面々に驚いた。

 なぜかこの日の『トークイーンズ』(フジテレビ)も川島明がゲスト。最近、裏被りがOKになってきているのだろうか。こちらの番組は、川島が美容にハマっているということを中心にトークが進んでいた。確かに昔に比べると肌もつやつやしている。

 きっかけは、朝の帯をすることになったからだそうで、確かに『アメトーーク!』でも言っていたが、髭を剃ることだけを考えても、朝の身支度の時間は軽減されるのだろう。

 個人的には、男性が脱毛しようがしまいが、美容に興味があろうがなかろうが、どっちでも好きにしたらええがなと思っている。美容の意識が高いくらいで、「有害な男らしさ」から離脱しようとしている!などと褒めたりする必要もないとは思っているし、昨今のそういう傾向が苦手になってきている。別に逆張りでもなく、それ自体は男性性にも女性性にも関係ないと思うし。ただ、良いところがあるとすれば、「男性はこうであるべき」から少しは解き放たれてるのかもしれないと思うところと、未知のことに触れようとしているということだろうか。

 確かに、川島さんの話している姿を見ていると、楽しそうだし、「美容に気を付けるなんて女のやること」とバカにしない態度は悪くはないのかとも思えた。

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