12月3日に開催した藍川メリルさん、上岡磨奈さん、山下亜矢香さんによるオンライン対談イベント「女性の俳優のキャリアを考える ー35歳定年説とキャリアの空洞化ー」のアーカイブ動画です。
本イベントでは、女性の俳優の①キャスティング、②年齢制限、③ 生活の維持について関連するトピックを挙げながらトークを行いました。
①キャスティングの話題では、年齢を重ねることによって役がなくなる問題や、オーディションの年齢制限について話しています。
他に
・日本/海外のドラマ
・映画における俳優の年齢の比較
・キャスティング権をだれが持っているのか?
・地域や分野ごとのビジネスモデルの違い
・男女で重視される要素やニーズの違い、など。
②年齢制限について、さらに深掘りしていくと性別による違いや、ライフプランによるブランクの発生にも焦点が当たります。
加えて
・舞台/映像業界と声優業界の違い
・新しく挑戦することの難しさ
・機会の損失にどのように対応してきたか?
・演技をする場を開くには?
という点についても具体的に語り合いました。
③生活の維持は、すべての俳優、および芸能やエンターテインメン トの現場に関わる人にとっての課題と言えます。
・縦のつながり/横の連携
・考えるきっかけを得る
・制度を利用する
・守秘義務と情報共有の間
といった俳優として生きる上でのすべての課題の根幹にあるような 論点について話し合っています。
これらの状況を乗り越えていくために立ち上げた本プロジェクトについて、問題関心を共有しながら、何ができるか、何をするか、何がしたいかを一緒に考えていく時間になれば幸いです(企画/藍川メリル、上岡磨奈)。

藍川メリル
1月23日生。兵庫県姫路市出身。高校生のとき、声優を志し勝田声優学院に入学。卒業後、大学生として声優事務所のレッスンと学業、チアリーディング部を両立する日々を過ごした後、声優・島本須美氏の影響を受け演劇に出会う。その後、一度将来への漠然とした不安から大手銀行に就職するも、平行してOFFICE冒険物語で俳優として活動する中で演劇の可能性に魅了される。東日本大震災をきっかけに銀行を退職し、以降は劇団活動を行いながら、精力的に外部団体へ客演。演出助手や制作としても活躍している。コロナ禍に自団体の劇団活動が難しくなってからは、映像作品の監督や演技指導家としても活動している。

上岡磨奈
1982年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程。専攻は文化社会学、カルチュラルスタディーズ。俳優、アイドル、作詞家などを経て、アイドルとアイドルファンを対象とした研究を開始。現在は芸能者の生活とキャリアについて研究を行っている。共著に『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』(青弓社)、『アイドル・スタディーズ――研究のための視点、問い、方法』(明石書店)など。

山下亜矢香
株式会社 アーツビジョン所属。1999年、青二プロダクションより声優としてデビュー。 アニメ、外画、ゲーム等出演の他、 舞台俳優としても活動しつつ子育てにも奮闘中。【主な出演作】〈アニメ〉 『ヤッターマン』 『ドラえもん』 『サザエさん』 『ちびまる子ちゃん』 『ブラックジャック』他〈外画〉『ニキータ』 『SEX AND THE CITY』 『スター•ウォーズ/クローン•ウォーズ』 『トム&ジェリー 夢のチョコレート工場』他〈舞台〉 Voice Festival to 2000『火の鳥〜鳳凰編〜』中野サンプラザ/ ゲキバカ2011『ごんべい』吉祥寺シアター/はんなりラヂオ『 はんなり☆夏語り2012』恵比寿 エコー劇場/おおのの♪『先生と赤い金魚』下北沢シアター711