【アーカイブ】高島鈴×春ねむり×山内尚「表現の鋭角に立つ 『布団の中から蜂起せよ』刊行記念イベント」

文=wezzy編集部
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「同じ火だったとしても、暖炉と山火事くらい違うと思う」

 春ねむりは山内尚の作品と自分の作品との違いをそのように説明する。確かにそうだ。春ねむりはいつも自分の炎に焼かれながら権力という巨大な山に火をかけていたし、山内尚は自分が手に握った火炎瓶を使って人を温めようとしていた。私はそれらの炎に当てられながら、自分の持っている火について考えていた。自分の火はどのように燃えているだろう?

 12月20日、高島鈴『布団の中から蜂起せよ』(人文書院)の刊行を記念して、高島鈴×春ねむり×山内尚の鼎談イベントが行われた。イベントが全編見られるアーカイブの販売に際して、改めて内容を簡略に紹介しておきたい。

 前半では主に『布団の中から蜂起せよ』のグッときた文章について語り合った。山内尚は自分自身が毎秒移り変わる可能性を認めて欲しいと望む「現象になりたい」を、春ねむりはシスターフッドや女性性と暴力性の問題を考える第二章を特に推薦した。

 後半では制作についての意見交換に突入。三人の作品にそれぞれあらわれるシスターフッドについて語り合った。また、自分自身にインスピレーションを与えた作品群についても話し合っている。連載中、製作中の作品に関する裏話も。

 対話を終えて、自分の火について改めて思いを馳せる。イメージとしてはゲリラで行われる路上のどんど焼きである。私はどんど焼きのバカみたいにでかい炎が好きだ。知らない人が勝手に集まって、巨大な炎に餅をかざして焼いていく。警察が来たらすぐに消火して消えるように去っていく。そういうふうに離合集散していく、流動的かつ苛烈な火でありたい。

 魂に火を持っているたくさんの人たちへ、そして年末年始に居心地の悪い時間を過ごしている人、長い虚無に耐えることが難しいと感じている人へ、ぜひこのイベントのアーカイブを見て、時間をやり過ごしてほしい。

※トークイベント中、山内尚さんのノンバイナリー/ジェンダーフルイドとしての経験に関する発話に対して、春ねむりさん・高島鈴がシス女性としての揺らぎについて発話を返す場面があります。この応答はノンバイナリー/ジェンダーフルイドの経験をシスの経験と対置してしまうものであり、前者の経験を矮小化するものです。大変軽率な発言でした。ここにお詫び申し上げます。
(高島鈴)

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高島鈴
ライター、アナーカ・フェミニスト。ele-king(Pヴァイン)、「シモーヌ」(新書館)、webちくま(筑摩書房)で連載。二木信・山下壮起編著『ヒップホップ・アナムネーシス』(新教出版社)、「文藝」(河出書房新社)などに寄稿。

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春ねむり
神奈川・横浜出身のシンガーソングライター / ポエトリーラッパー / プロデューサー。自身で全楽曲の作詞・作曲・編曲を担当。2018年4月、1stフルアルバム『春と修羅』をリリース。2019年、アジア/ヨーロッパツアーを開催。2022年3月、北米ツアーを開催し全ての公演がソールドアウトと大盛況で幕を閉じる。その後の「SXSW」では、Pussy Riotのステージに招かれゲストボーカルとして参加。2022年4月22日、4年ぶりとなるフルアルバム『春火燎原』を発表し、米メディアPitchforkでは8.0点の高得点を獲得。10月には今年2度目となる北米ツアー”SHUNKA RYOUGEN NORTH AMERICA TOUR 2022″を開催。11月からはタイ・バンコクで開催の音楽フェスティバル「Maho Rasop Festival」を皮切りに東アジアツアーを開催中。これが新世代のジェイポップ、こころはロックンロール。

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山内尚
犬を愛する漫画家。読み切り『帰る家』(ミステリーボニータ2019年1月号掲載)で第4回ロイヤル少女まんが賞入選。『わたしの歯』でアフタヌーン四季賞2018年秋の佳作を受賞。秋田書店から『魔女の村』『クイーン舶来雑貨店のおやつ』が電子単行本で二冊同時発売中。エレガンスイブ(秋田書店)にて、母の家出から始まる四姉妹の物語『よるべない花たちよ ~for four sisters~』を連載中。

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