【アーカイブ】中村香住×山本恭輔「多様化するディズニープリンセス〜日本の『ディズニー』と人種〜」

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 アメリカ・フロリダ州にあるウォルト・ディズニー・ワールドで、「スプラッシュ・マウンテン」と呼ばれていたアトラクションが re-imagine(新しいテーマで再構築する)されて、「ティアナのバイユー・アドベンチャー」に生まれ変わることが発表されています。それに伴い「スプラッシュ・マウンテン」はクローズしました。 

 アトラクションのモデルとなっているディズニー映画『南部の唄』は、1946年の公開当初から黒人の描写に問題があるという批判があり、現在は鑑賞することが難しい(ほぼ不可能な)作品となっています。「スプラッシュ・マウンテン」についても題材を他の作品に変えることを求める署名活動が行われてもいました(ディズニー社は署名活動以前よりreimagineを計画していたというプレスリリースを出しています)。

 また、2019年には実写リメイク版『リトル・マーメイド』の主役である人魚のアリエル役に、黒人女性でR&Bシンガーのハリー・ベイリーが起用されることが決まりました(米国では今年5月、日本は6月に公開予定)。ハリー・ベイリーの起用が公表された当初、そして予告版の公開時に、一部で「黒人の俳優がアリエルを演じること」 に対して違和感を唱える声が上がり、 そのことを巡って様々な意見が特にネット上で散見されます。このようにディズニーにとって人種の問題は、「ポリティカルコレクトネス」が注目される以前より議論されてきたテーマとなっています。

 4月21日(金)19時より開催したオンラインイベント「多様化するディズニープリンセス〜日本の『ディズニー』と人種〜」では、ホストである社会学者の中村香住さんと、フェミニスト・カルチュラル・スタディーズ、メディア文化論などを専門に研究している山本恭輔さんをゲストに、「ディズニーと人種」についてたっぷり120分話し合っていただきました。

 今後も様々な場面で議論されるであろう本テーマについて、一緒に考えてみませんか?

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中村香住
慶應義塾大学文学部・慶應義塾大学大学院社会学研究科 非常勤講師。修士(社会学)。専門はジェンダー・セクシュアリティの社会学。 現在は第三波フェミニズムの観点からメイドカフェにおける女性の労働経験について研究をおこなうかたわら、レズビアン・クワロマンティック当事者として“恋愛至上主義にノれないセクシュアルマイノリティ”の居場所づくりにも取り組む。共著書に『私たちの「働く姫、戦う少女」』(堀之内出版)、『ふれる社会学』(北樹出版)、『「百合映画」完全ガイド』(星海社)、『ガールズ・メディア・スタディーズ』(北樹出版)。共編著書に『アイドルについて葛藤しながら考えてみた――ジェンダー/パーソナリティ/〈推し〉』(青弓社)。 Twitter:https://twitter.com/rero70

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山本恭輔
東京大学大学院学際情報学府 博士後期課程在学。千葉大学国際教養学部卒、千葉大学大学院総合国際学位プログラム修士課程修了。修士(学術)。専門はフェミニスト・カルチュラル・スタディーズ、メディア文化論、言語人類学。トランスナショナルに展開するポピュラーカルチャーにおけるジェンダー・人種の問題を研究。特にアニメーション映画やチックフリックのアダプテーションについての研究をおこなう。

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