斎藤真理子さんによる『韓国文学の中心にあるもの』(イースト・プレス)は、韓国文学のパワフルな魅力を、韓国の歴史的な文脈を踏まえながら紐解く本です。
日本では、2010年代後半以降、韓国文学への注目が高まり続けています。
たとえば2015年にはパク・ミンギュの『カステラ』(ヒョン・ジェフェン+斎藤真理子訳、クレイン)が第一回日本翻訳大賞を受賞。2016年にはハン・ガンの『菜食主義者』(きむふな訳、クオン)がアジア人作家として初のマン・ブッカー賞を受賞。
そして2018年には、韓国で130万部を超える大ベストセラーを記録した『82年生まれ、キム・ジヨン』(斎藤真理子訳、筑摩書房)が日本でもヒットを飛ばし、2019年には「韓国・フェミニズム・日本」特集号である文藝秋号が創刊以来86年ぶりの三刷を記録。特に『82年生まれ、キム・ジヨン』は、普段小説を読まない人も含め、幅広い読者を獲得し、今、日本に韓国文学を求めてやまない人が確かに大勢いることを印象づけました。
本書は、そんな2010年代後半を起点として、日本による植民地支配が終わる1945 年までを遡り、韓国における歴史と文学の関わりを日本の読者に丁寧に紹介します。また同時に、なぜ今、日本の読者はこれほどまでに韓国文学に惹きつけられているのか、今私たちが生きている日本とは、この世界とは、文学とはなんなのかを、改めて考えさせるものなのです。
今回のイベントでは、韓国文学の翻訳者にして『韓国文学の中心にあるもの』の著者・斎藤真理子さんに、クィア・フェミニズム批評の見地から文芸批評を行う文筆家の水上文さんがお話を伺い、日本と韓国、文学と批評についてお話しいただきます。
韓国文学の魅力とは、あるいは日本文学と韓国文学の違いとはなんなのか。そもそも文学とは何か。文学と社会の関わりはどのようなものか。私たちはなぜ文学を読むのか?
『韓国文学の中心にあるもの』を読んだ人も、これから読む人も、斎藤さん、水上さんとともに考えてみませんか。

斎藤真理子
韓国語翻訳者。主な訳書にチョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)、ファン・ジョンウン『ディディの傘』(亜紀書房)、パク・ソルメ『未来散歩練習』(白水社)など。2015年、パク・ミンギュ『カステラ』(ヒョン・ジェフンとの共訳、クレイン)で第一回日本翻訳大賞受賞。著書に『韓国文学の中心にあるもの』(イースト・プレス)。

水上文
1992年生まれ。文筆家。文芸批評・書評を書くほか、映画やドラマ、アニメのレビュー、オタク文化やジェンダー / セクシュアリティに関連したエッセイ等も執筆。2022年『文學界』で新人小説月評を担当。2022年1月より『文藝』で文芸季評を連載中。
斎藤真理子×水上文「韓国文学から考える 日本と韓国、文学と批評」
開催日:2023年8月24日(木)
時間:19:00~20:30
商品:期限付きアーカイブ視聴(9月14日まで)
料金:1100円(税込)
視聴方法:PC、スマホ、タブレットから視聴できます。
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